2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23650254
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土肥 健純 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (40130299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 裕治 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 教授 (50203807)
正宗 賢 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (00280933)
桑名 健太 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (00593055)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 福祉機器 / 交流磁気刺激 / 排便促進 / 聴覚支援 / 渦電流 |
Research Abstract |
本研究では、未だほとんど研究されていない低周波磁気刺激技術の福祉機器分野への応用を探ることを目的とし,磁気刺激により最も効果が期待される (1)高齢者の排便促進,(2)難聴者の聴覚支援のための福祉機器開発をめざし研究を行っている。磁気刺激は,体外から磁場を印加することによって生じる渦電流により神経が刺激されると考えられているが,渦電流が神経を刺激する原理については詳細が明らかにされていない.本研究では,渦電流により神経細胞内外に生じる電位差が細胞の活動電位に達した際に,刺激が起こると仮定し,渦電流によって電位差が生じる条件について検討を行った.電位差は電荷密度の差と考えることができ,渦電流密度が異なる2点間に電位差が生じる.本年度は,2つの刺激対象についてモデルを立て,どのような点において渦電流密度の差が生じるか実測した.(1)高齢者の排便の促進:刺激対象として排便を司るとされている仙骨神経周辺部を穴の開いたアクリルブロックでモデル化し,仙骨モデル周りの渦電流密度を計測した.仙骨モデルに対し,磁場を印加したところ,モデルにあけた穴の入り口付近で渦電流密度の変化率が最大となることが計測された.また,磁気刺激用のコイルとモデルとの位置関係を変え,渦電流密度の変化率を計測したところ,仙骨孔が磁場の変化率が最も大きくなる位置にある場合に最も大きくなった. (2)難聴者の聴覚支援: 刺激対象として,人工内耳で刺激されている蝸牛内鼓室階のらせん神経節付近をモデル化した.鼓室階と鼓室階に隣接する神経をそれぞれ太さの異なるアクリルパイプでモデル化し,神経モデルに対して電位差が生じるような磁場の当て方を検討したところ,鼓室階モデルと神経モデルの中心を結ぶ方向に磁場発生用コイルの軸が向くように磁場を印加すると,最も大きな電位差が発生することが計測された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を進める過程で,渦電流の大きさだけで磁気刺激の実現可能性を評価できないことが分かったが,刺激方法について磁気刺激用コイルと刺激対象の位置関係についての知見が得られたため,おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
刺激対象の形状を考慮し,刺激方法について更なる基礎的なデータ収取が必要となるため,動物実験に入る前に基礎的な検討を重点的に行う.本年度は,コイルと対象との位置関係に着目し,基礎的なデータを取得した.次年度は,磁場の強度に着目し,コイルのサイズを含めた形状の検討や複数個用いた場合の効果について検証する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は,主に消耗品費として利用する.本年度に引き続き,生体モデルに使用する樹脂材料や生理食塩水,コイル試作に必要なワイヤを購入する.また,実験系改良のための電子部品や移動ステージ,コイル冶具作成のための板材や樹脂ネジ等を購入する.
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