2012 Fiscal Year Research-status Report
細胞形態変化をインジケータとする超効率的培地評価法の確立と革新的培地開発
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23650286
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 竜司 名古屋大学, 創薬科学研究科, 准教授 (50377884)
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Keywords | 培地開発 / 細胞形態情報解析 / 形態分類 / パターニング / クラスタリング / 多変量解析 / 培地最適化 / 再生医療 |
Research Abstract |
平成24年度の研究では、次の2項目を研究目的としていた。 ①ロット数の増加による解析モデルの再現性の確認 平成23年度で確立した解析基礎技術の汎用性・再現性を確認するため、間葉系幹細胞MSCのロット数をさらに増やし12ロットとしてのデータベースの蓄積(約20000枚の画像取得)および培地成分への反応を数ヶ月の分化培養の結果と照らし合わせて教師データベースとして整備した。さらに12ロットにおいてはこれまで検討していなかった神経系(外胚葉系)への分化をも検討し、培地成分への反応が細胞形態をインジケータとして数値化・評価できるかを検証した。 ②再現性を高めるための新規アルゴリズムの開発 平成23年度で検証したK-meansクラスタリングを上記追加ロット数の画像で検証した結果アルゴリズムとしての汎用性に問題が生じてしまうことが判明した。このため、K-meansクラスタリングをさらに改良しX-meansクラスタリング法として新規アルゴリズムを開発およびその機能性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、細胞の形をインジケータとして細胞品質が感覚よりも正確かつ詳細に分類できること、また非常にわずかな培地成分の変化や、かなり長期間でしか見られない培地成分への応答が、実はかなり早期に細胞形態情報から定量予測できる系が開発されつつある。汎用性・再現性の問題も、ロット数を増やすことによって改善されつつある。さらに前年度のアルゴリズムの問題は新規アルゴリズム開発によって改善されたため、おおむね順調であると結論付けた。今後は、具体的に効果のある培地成分について検討を進めることによって、革新的な培地設計につながる評価法としての妥当性を示すことができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方針は大きく2つある。 ①培地評価の汎用性および拡張性をより多くの細胞株、および細胞培地にて評価すること。具体的には間葉系幹細胞に注力しながら分化培地、未分化培地、培地混合物、添加物の有り無しなどの複数の培地条件をいかに分類仕分けられるかを検証する。最大でも20種類程度の培地分類精度を評価することで、本開発手法の妥当性を検証する。 ②各種成果の論文としての報告発表。具体的には、これまで検証してきたデータをとりまとめこれらに追加データを足すなどしながら論文として世界に発信する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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