2012 Fiscal Year Research-status Report
オシレーション法を用いた重症心身障害児(者)の呼吸換気メカニクスの検証
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23650331
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Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
森 直樹 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (40325949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒澤 一 東北大学, 学内共同利用施設等, 教授 (60333788)
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Keywords | 日本 |
Research Abstract |
平成24年度挑戦的萌芽研究研究の進捗状況を以下に報告する。 ①総合呼吸抵抗機能検査についてはImplse Oscillation System(IOS)法を用いて、健常者9名(男性6名、女性3名)を対象に呼吸インピーダンス(Zrs)及びその成分でもある呼吸抵抗(Rrs)、呼吸リアクタンス(Xrs)を測定した。なお、重症心身障害児(者)のコントロール群として比較するために、体幹側屈0度、30度、50度にて測定を実施した。健常対象者の体幹側屈角度変化に伴い、呼吸抵抗(Rrs)は有意に高値を示した。②重症心身障害児(者)についてのIOS測定は、昨年度に引き続き今回、新たに3名測定し解析を進めた。なお、昨年度課題でもあった気管切開患者へのIOS測定についてはカニューレ接続用アダプタを新たに製作すると高価であるため、既存のスパイロメトリーカフを用いてair leakしないよう検討している。接続用カフには死腔を含めて検討する必要があることから、創意工夫を重ねているところである。気管切開をしている重症心身障害児(者)の多くは通常の呼吸機能検査測定は困難であることから、本IOS法を用いて呼吸機能障害の病態を把握することが重要である。③ 重症心身障害児(者)の呼吸運動の解析についてはBIMUTAS-VIdeoにて測定・解析を試みた。呼吸波形から呼吸様式の把握は可能であっが、三次元での胸郭呼吸運動の把 握が困難であり、新たな呼吸解析ソウトにて今後検討が必要と考えれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
①今回、重症心身障害児(者)を対象にIOS測定を実施したが、当初予定していた人数を大幅に下回った。IOS法は短時間測定がメリットであるが、一方でair leakしないよう口腔内の持続的閉鎖が求められる。重症心身障害児(者)は口唇閉鎖能力が低いため、IOS測定が困難な場合が多く、また測定できても対象者が限定され少数となった。 ②平成25年度は主に気管切開患者へのIOS測定を積極的に進める予定であるが、気管カニューレ接続用アダプタとモストグラフとの適合に時間を要している。既存のスパイロメトリーカフを用いてair leakしないよう予備実験を進めているため研究進捗としては遅れている現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成25年度の研究推進方策については、IOS法を用いて重症心身障害児(者)の呼吸抵抗測定検査を施行し呼吸周期依存性を評価する。課題である気管切開対象者の呼吸抵抗測定検査ができるよう、測定方法について昨年に引き続き検討を進めて行く予定である。また、BIMUTAS-VIdeoにて測定が不十分だった、重症心身障害児(者)の三次元での呼吸運動の解析について新たな解析ソウトにて評価可能か検討していく。更に、IOS法を用いた研究発表等がなされている学会には、積極的に参加し情報収集に努め最終年度の研究到達が成就できる様すすめていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究使用計画については以下の通りです。 ①重症心身障害児(者)の呼吸抵抗を測定するためにMostGraph-01(チェスト社)をレンタルする。レンタル期間は昨年同様に1カ月100,000円×3カ月とし、300、000円を研究支出します。また、気管切開用の呼吸カニューレアダプタの購入など研究に必要な消耗品の購入を検討しています。 ②重症心身障害児(者)の呼吸抵抗測定を実施するための旅費及び本研究を進めるための 情報収集(日本呼吸ケア・リハビリテーション学会等)の参加を検討してます。
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