2011 Fiscal Year Research-status Report
バイオフィードバックトレーニングが競技力に及ぼす影響に関する研究
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23650401
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
雑古 哲夫 関西大学, 文学部, 教授 (00247892)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | バイオフィードバック / 精神性 / 精神生理学 / アイススケート / 弓道 / 日本拳法 / 競技力 / スポーツ |
Research Abstract |
本研究はバイオフィードバック(以下:BF)トレーニングが競技力に及ぼす影響に関しての研究であり、精神的な緊張から引き起こされる拮抗筋の働きを抑制するBFトレーニングを実施し、スポーツや武道競技者の試合や大会での緊張を軽減し、競技力、競技成績を向上させる事を目的とした研究である。 精神性は目視できず、認識することが困難であるが、筋電図、心拍、発汗、皮膚温、脳波等をデジタル信号として記録すると共に、その変化をディスプレイに映し出し、即時に被験者にフィードバックすることにより、精神性と目視しているデジタル信号を対比させ、精神性の変化として認識する事が可能となる。被験者がそれらを抑制するトレーニングを重ねることにより、拮抗筋の不必要な筋緊張の働きを制御する能力を修得することができる。精神性の乱れから生じる発汗量の変化、心拍変動、不必要な筋緊張などはBF機器によりデジタルデータとして認識し、拮抗筋における過緊張を最小限に抑え、個人が発揮出来る最高の能力を導き出すトレーニングを実施することが可能となる。 実験対象は、関西大学体育会アイススケート部、同弓道部、同日本拳法部とし、BFトレーニングにより、精神性から生じるとされる不必要な筋緊張を抑制し、競技成績を向上させようとした研究である。 2011年度研究実績としては、BF実験・BFトレーニングの効果として、関西大学弓道部は、第59回全日本学生弓道選手権大会団体戦で準優勝、同日本拳法部は、第56回全日本学生拳法選手権大会団体戦で男子5位、女子優勝という成果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
到達度としては、精神性を高め競技成績を向上させようとした弓道部は、第59回全日本学生弓道選手権大会団体戦で準優勝となり。日本拳法部は、第56回全日本学生拳法選手権大会団体戦において男子は5位に入賞し、女子は優勝という結果であった。弓道、日本拳法男子は、優勝することはできなかったが、特に精神性が競技力と結びつく弓道は充分な結果を得たと考える。 また本研究はBFトレーニングが精神性に及ぼす影響に関する研究であり、その研究には一定期間のトレーニングが必要となる。採択が公表されるまでの期間、BFトレーニング・実験に取り掛かることができなく、もう少し早い時期に公表され、研究を早期から実施する必要性を感じた。またアイススケート部の実験は、学生が関西大学高槻キャンパス、アイスアリーナに集合できる曜限が土曜日13時と限定され、千里山キャンパスの授業担当曜日の関係で、アイススケート部を対象とした研究は概ね平成24年度に持ち越さねばならない状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度のBFトレーニングは千里山キャンパス実験室、高槻キャンパスアイスアリーナの教室で行っていたが、できるだけ実践に近くなるように工夫したBFトレーニングを実施するように計画している。 日本拳法においては教室だけでなく道場、試合場などにおける練習、試合前の発汗、筋緊張、心拍変動を測定し、今後のBFトレーニングの研究を進める計画を検討している。また弓道は、弓道場において実際に弓を打つ際のBFトレーニング・実験の検討等、これまでのBFトレーニングを発展させた実験も計画している。アイススケート部においては、BFの実験において、氷上でのトレーニング・実験が困難な為、教室でのBFトレーニング・実験を計画しているが、これも可能であれば氷上やアイススケートリンクでのトレーニングを実施する方向で検討している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の補助金1100千円は、実験に必要な消耗品約120千円。 脳波に関する研究の講習会、資料収集の為の旅費約360千円。 実験の被験者に対する謝金代等約300千円。 図書費約50千円。 研究の成果をアメリカBF学会に論文として発表し、挑戦的萌芽研究の成果を日本にとどまることなく広く世界に広く公表するための翻訳代約270千円を予定している。
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Research Products
(1 results)