2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23650439
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
樋口 満 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (20192289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 寛 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (40508256)
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Keywords | 食欲 / 運動 / 縄跳び / グレリン |
Research Abstract |
せっかく肥満予防・改善のために運動を実施しても、その後に食欲が普段以上に亢進すれば、肥満の予防・改善にならない。運動は多種多様あり、どのような運動様式が実施後の食欲を増進させるのか、逆に抑制させるのかは明らかになっていない。本研究は、重心の上下動に着目し、運動様式の違いが運動後の食欲および食欲関連ホルモンに及ぼす影響を検討した。平成24年度は、運動強度、食欲および食欲関連ホルモンの関係性に対する運動種目の違いについて検討を進めた。被験者は15名の健康な成人男性であった。運動は、自重を支えない運動として自転車、自重を支える運動として縄跳びを、それぞれ63.9±2.0% VO2max(52.0-76.8%VO2max)および64.8±1.8% VO2max(52.2-74.7%VO2max)の強度で実施した。自転車運動において、運動強度、食欲の変化および食欲関連ホルモンの変化にはそれぞれ相関関係が認められたが、縄跳び運動ではいずれの相関関係も認められなかった。これらの結果は、自重を支えない運動で認められる運動強度、食欲および食欲関連ホルモンの関係は、自重を支えかつ重心の大きな上下動を伴う運動の場合には認められないことを示唆している。 2年間の研究成果を総合すると、本研究は、縄跳びのような重心の上下動を伴う運動は、一過性の運動による食欲の低下を効率的に引き起こすだけでなく、重心の上下動を伴わない運動と比較して、運動由来の食欲低下にグレリンやペプチドYYなどの食欲関連ホルモンの貢献度がそれほど大きくないことを明らかにした。加えて、一過性の運動後の食欲は、男性と比較して女性で速やかに亢進(回復)することがわかった。これらの結果は、性別を考慮した肥満の予防・改善のための運動処方作成におけるエビデンスの一つになるだろう。
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Research Products
(6 results)