2011 Fiscal Year Research-status Report
リフレッシュによる育児不安低減のための「子育て共同化」プログラムの開発
Project/Area Number |
23650446
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平田 道憲 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (30111660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今川 真治 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (00211756)
正保 正惠 福山市立大学, 教育学部, 教授 (00249583)
田丸 尚美 福山市立女子短期大学, 保育科, 准教授 (00570061)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 保育 / 育児不安 / 生活経営 |
Research Abstract |
国内・国外の先行事例調査を実施した。国内は京都市で共同保育に関するヒアリング調査を実施し,本研究の準備段階で実施したアンケート調査を京都市,尾道市,鳥取市で実施した。京都市では,2か所の子育てネットワーク事業に対してヒアリングを実施し,共同保育の体制,組織作り,リーダーとコーディネーターの役割等について情報を得た。アンケート調査については,京都市では共同保育実践者17名,尾道市と鳥取市では保健所の協力を得て,子どもの健康診断をとおして,尾道市139名,鳥取市167名の回収を得た。 国外は,アメリカ合衆国とニュージーランドで共同保育に関するヒアリング調査を実施した。アメリカ合衆国では,シアトル市近郊にある日本人のこどもを対象とした幼稚園,保育園を訪問し,幼稚園,保育園の指導者およびこどもの母親(日本人)に,現地での子育て事情,育児サポート,育児不安等についてヒアリングを行った。母親のほとんどがアメリカ人と結婚しており,子どもをバイリンガルに育てることと,日本文化を学ばせる目的をもってこれらの園を利用していた。必要とする育児サポートでは,家庭外保育に対するニーズが最も大きかった。ニュージーランドでは,現地のプレイセンターを訪問し,指導者や母親に共同保育の実情等についてヒアリングを実施した。2000年代の教育制度改革により週20時間は無料であらゆるプログラムを受けることができ,2010年からプレイセンターにも適応されている。この政策の背景には、女性の就業率拡大も意図されていた。国外でも本研究の準備段階で実施したアンケート調査を実施した。アメリカ合衆国で69名,ニュージーランドで56名の回収を得た。 5月,6月,11月,1月の4回にわたって研究会を開催し,国内外での先行事例調査について情報交換を行い,あわせて,平成24年度に実施する予定の共同保育プロジェクトの計画を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的のうち,本年度の主要な計画である先行事例調査は,研究実績の概要で示したとおり,国内(京都市)および国外(アメリカ合衆国・ニュージーランド)で実施し,有用な成果を得ることができた。もうひとつの研究計画である,本研究の準備段階で実施したアンケート調査を対象を変えて実施することについても,国内(京都市,尾道市,鳥取市)および国外(アメリカ合衆国・ニュージーランド)で実施することができ,一部の集計を終了している。 「子育て共同化」の試行については,本年度は,研究者相互の意見交換を行い,平成24年度の実施に向けて,実施計画の方向性を定めることができた。 以上の進展状況をふまえた自己点検の結果,「おおむね順調に進展している」という評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究実施計画は次のとおりである。(1) 平成23年度に実施したアンケート調査の集計と分析を継続する。データ入力のすべてを平成23年度経費で支出することが困難であったため,平成24年度の経費とあわせて,データ入力を行う。入力終了後,研究者が分担して分析を行う。(2) 広島県福山市における「子育て共同化」試行の改善案を実施する。改善案は,福山市立大学を会場として,平成24年9月から11月にかけて全7回実施する計画である。10組の親子を公募し,子育て中の母親に,リフレッシュの機会と時間,コミュニケーションの場を提供する。研究分担者の正保を実施責任者とし,参加者へのプレ・ポストアンケート調査(平田),母子行動分析(今川),育児相談(田丸)を実施する。 平成25年度は,平成23年度と平成24年度に実施したインタビュー,アンケート調査,「子育て共同化」の試行の結果を整理し,研究成果をまとめるとともにシンポジウムを開催する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の補助金使用計画は次のとおりである。(1) 平成23年度に実施した国内外でのアンケート調査のデータ入力ならびに集計費用。この一部として,平成23年度の経費の一部を使用する。(2) 共同保育の試行プログラムの実施にかかる費用。(3) 研究成果を学会報告するための旅費。(4) 研究を実施するために必要な文具等の消耗品。
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Research Products
(11 results)