2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23650479
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
原田 優美 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 技術補佐員 (80568395)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芥川 正武 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (90294727)
粟飯原 睦美 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 学術研究員 (60596211)
馬渡 一諭 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (40352372)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 食環境 / 食生活 / 環境 / 光 |
Research Abstract |
発光ダイオード技術等の急激な進歩により、生活環境における照明の革新的変化が起ころうとしている。安価で耐久性に優れた発光ダイオード技術により、従来の照明が発光ダイオードを中心とした光に変わろうとしている。従来の一般生活で使用されてきた光は、多くの波長が混じり合った混合の光であるが、発光ダイオードによる光はある特定の単波長のみの光である。特定波長の光の持続的な暴露が、ヒトの感情や昆虫などの食行動などに影響をあたえることがすでに報告されている。しかしヒトや食品などにどのような影響を与えるかはよく分かっておらず、危険性も指摘されている。本研究では、光がヒトの食生活行動や食品に与える影響を明確にし、その制御基盤を確立する。そしてヒトの食生活環境の安全・快適を守り健康の維持・増進に貢献できるシステムを開発することを目標とした。平成23年度は、各波長の光を利用した摂食行動の解析と制御、各波長による食品関連微生物の反応性の解析、発光ダイオードの制御技術の確立について中心的に解析を行った。各波長の光を利用した摂食行動の解析と制御では、マウスを用い光の波長制御による摂食量、飲水量の影響を解析したところ、波長により摂食量、飲水量が変化することを見出した。また各波長による食品関連微生物の反応性の解析では、食中毒原因菌である腸炎ビブリオを用いて解析を行い、波長により病原性遺伝子の発現が異なることを見出した。同時に上記2項目の解析に用いた、光照射システムをLEDを用いて一元的に作製した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度当初計画では、各波長の光を利用した摂食行動の解析と制御、各波長による食品関連微生物の反応性の解析、発光ダイオードの制御技術の確立の3項目を中心に解析を行うこととした。各波長の光を利用した摂食行動の解析と制御では、マウスを用いて光の波長制御による摂食量、飲水量の影響を解析しおおむね計画通りに進展していると考えられる。食品関連微生物の反応性の解析では、食中毒原因菌である腸炎ビブリオを用いて光の波長による病原性因子の発現を解析しておりしおおむね計画通りに進展していると考えられる。最後に発光ダイオードの制御技術の確立では、上記実験に使用する光照射システムをLEDを用いて作製しておりおおむね計画通りに進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成23年度では、各波長の光を利用した摂食行動の解析と制御、各波長による代謝機能の解析、各波長による食品関連微生物の反応性の解析、発光ダイオードの制御技術の確立の4項目を中心に解析を行う予定である。各波長の光を利用した摂食行動の解析と制御では、特に現在認められている反応がLEDに特有なのかどうかの検証とともに、LED光源と他の光源との違いについて行動の違いの解析を行う。各波長による代謝機能の解析では、まずマウスなどの実験動物を用いて、光の波長制御による代謝の変化を解析する。同時に代謝に影響を与えるホルモンの変化を検討する。これにより光の波長制御による摂食量の制御法を検討する。各波長による食品関連微生物の反応性の解析では、病原性への影響についてすでにUVC照射では病原性に関係するTypeIII分泌機構 や走化性に関与する遺伝子発現が増加するがUVA照射では低下傾向を見出している。そこで各波長の光による微生物の病原性関連因子の発現変化及び病原性の検討を行う。腸炎ビブリオに関してその病原因子及び病原性の検討方法は、これまでの研究より確立している。本検討項目では実験補助を必要とする。発光ダイオードの制御技術の確立では光照射システムの電源制御システムについて検討を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
直接経費800000円、間接経費240000円を計上する。直接経費では、物品費として450000円を計上し、試薬、微生物培養用試薬、ディスポプラスチックに使用する、さらに実験動物の飼育費に用いる。また実験結果を学会で発表し、各専門家の評価を受けるとともに各専門家と意見交換をするために、旅費を200000円計上する。また各波長による食品関連微生物の反応性の解析では、実験補助を必要としており、その謝金として100000円を計上する。その他の項目に論文の校正のための費用として50000円を計上する。
|
Research Products
(3 results)