2013 Fiscal Year Annual Research Report
わが国の近代精神医療史資料の保存と利用に関する基盤整備
Project/Area Number |
23650564
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
橋本 明 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (40208442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 治 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (10189029)
板原 和子 大阪体育大学, 健康福祉学部, 教授 (50390175)
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Keywords | 精神医療史 / 医学史 / 博物館 / 精神医学史 |
Research Abstract |
平成25年度には、二つの国際会議で近代日本の精神医療史に関わる研究報告を行い、海外研究者との意見交換を行った。まず、6月にイギリス・オックスフォードで開催された国際シンポジウム「セラピーとエンパワーメント―強制と懲罰:労働と作業療法への歴史的・現代的視座」には、研究代表者の橋本および研究分担者の中村が参加し、また7月にオランダ・アムステルダムで開催された第33回「法と精神保健に関する国際会議」(IALMH)には、橋本および研究分担者の板原が参加し、それぞれのテーマで研究発表および会議参加者との討議を行った。 また、10月には名古屋で「近現代精神医療史ワークショップ4」を開催し、「ミュージアム」をテーマに山名淳(京都大学大学院 教育学研究科)、竹島正(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)、および後藤基行(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)の3氏が講演を行い、あわせて精神医療にかかわるミュージアムの意義や可能性について討議を行った。 さて、研究期間全体をとおして本研究が目指していたのは、第一に近代日本の精神医療史資料の保存、第二にその利用、さらにその先に「精神医療ミュージアム」の設置を検討することであった。研究をすすめていく過程で、西欧の精神医療に関わるミュージアムをいくつか視察し、関係者にインタビューする機会に恵まれことは、ミュージアム構想に大きな刺激となった。これらミュージアムの歴史的・思想的な背景や設置・運営のノウハウを比較検討することから得られた知見を活かしながら、歴史的資料を保存・利用する「精神医療ミュージアム」の設置を引き続き検討しつつ、精神医療の歴史を広く社会に伝える社会教育的な活動(移動ミュージアム、学校における出張授業などを含む)を検討・実践する、本研究につづく新たな試みを科学研究費から助成を受けて行う計画である。
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Research Products
(23 results)