2012 Fiscal Year Annual Research Report
クロロエテン類センサーキナーゼの構造・機能解明とバイオレメディエーションへの応用
Project/Area Number |
23651063
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
尾高 雅文 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20224248)
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Keywords | ヒスチジンキナーゼ / PASドメイン / 2成分系伝達システム / クロロエテン / バイオレメディエーション |
Research Abstract |
クロロエテン類は土壌・地下水の主要な汚染源の一つであり、汚染地でのクロロエテン類検出系、完全分解能を有する微生物の検出系を開発することは極めて重要である。本研究では、Dehalococcoides 属細菌由来クロロエテン類センサーヒスチジンキナーゼ(SHK)を材料して、クロロエテン類およびその分解微生物の検出・定量系を開発することを目的としている。平成24年度は、機能未知のクロロエテン類分解酵素遺伝子の発現を制御するSHKであるDET301タンパク質 (DET-SHK)との精製条件の検討と結晶化をDehalococcoides属BAV1株由来脱塩素化酵素遺伝子bvcA上流に存在するSHK (BAV-SHK)の二つのSHKのセンサードメインの精製条件ならびに結晶化条件の検討を行った。DET-SHKはHis-tagを付加した状態で発現、精製可能であったが、低塩濃度条件での溶解度が低く、300 mM NaCl以下の塩濃度では容易に沈殿を生じた。還元剤、グリセロール等の添加による安定化を試みたが、顕著な改善は観られなかった。そのため、高塩濃度存在下での結晶化を試みたが、良質な結晶を得ることはできなかった。一方、BAV-SHKに関しては、センサードメイン、キナーゼドメインとも不溶性画分にのみに発現した。そこで、尿素変性後に可溶化し、精製した。精製した各ドメインのクロロエテン類センシング能、キナーゼ活性を測定したが、有為な活性は確認できなかった。今後は、DET-SHKに関しては、センサードメインの結晶化条件の更なる検討を行い、BAV-SHKに関しては、封入体からの可溶化精製条件の検討を行う予定である。
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Research Products
(4 results)