2011 Fiscal Year Research-status Report
超高温高圧水蒸気爆砕を用いた繊維廃棄物の分解と再利用化
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23651071
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中村 嘉利 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (20172455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 千鶴 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (50452652)
浅田 元子 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 研究員 (10580954)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | バイオマス / セルロース / グルコース |
Research Abstract |
セルロースから成る繊維廃棄物(古着や古タオル)の分解と高度有効利用化を目的とし、セルロース物質をモデル物質として超高温高圧水蒸気爆砕処理によるセルロース成分の可溶化(グルコースへの糖化)実験を行った。従来、セルロースの分解すなわちグルコースへの糖化はセルラーゼ(酵素)を用いて行われてきたが、力価の高い酵素は高価格であり、酵素を用いた未利用資源の活用法には費用対効果の問題があった。本研究では、セルロースの糖化において、酵素フリーで行うことを目標とし、超高温高圧水蒸気爆砕処理によるセルロースのグルコースへの直接糖化を検討した。セルロースモデル物質としては、粉末の微結晶セルロースとセルロースファイバー繊維を1cm×1cmの大きさに裁断したものを用いて行った。それぞれの試料を水蒸気圧力50,55,60,62atmにて、蒸煮時間を0.5,1,3,5分として処理を行った。それぞれの水蒸気圧力を温度に換算すると、264, 271, 276, 278℃にあたる。その結果、最大のグルコース量が得られたのは、微結晶セルロースでは、水蒸気圧力62 atm, 蒸煮時間1分であり、乾燥セルロース試料重量あたり33%であった。また、セルロースファイバー繊維では、水蒸気圧力60atm, 蒸煮時間1分で最大のグルコース生産量41%が得られた。また、グルコース以外の水可溶性の糖の収率は、微結晶セルロースでは53%、セルロースファイバー繊維では68%が回収できることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・超高温高圧水蒸気爆砕処理を用いて、セルロースモデル物質(微結晶セルロース、セルロースファイバー繊維)をグルコースへ糖化するための爆砕条件を見出すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
・23年度に得られたセルロースモデル物質の超高温高圧水蒸気爆砕処理条件をもとに、古着や古タオルの超高温高圧水蒸気爆砕を行い、その直接糖化によって得られたグルコース量の定量を行う。・古着や古タオルから得られた糖液を用いてエタノールを生産する酵母や細菌を培養し、エタノール生産試験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)古着や古タオルの超高温高圧水蒸気爆砕処理に係る作業への謝金(2)超高温高圧水蒸気爆砕処理した古着や古タオルから得られたグルコースやその他の水可溶性の糖の定量にかかる有機・無機試薬代(平成23年度から繰り越した96,383円はこの有機・無機試薬代の一部に充てる)(3)古着や古タオルを処理して得られた糖液を用いたエタノール発酵にかかる培養培地成分や微生物購入代
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Research Products
(20 results)