2012 Fiscal Year Annual Research Report
自然エネルギーを用いた海水の淡水化・汚水の清浄化装置に関する研究
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23651079
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Research Institution | 仙台高等専門学校 |
Principal Investigator |
羽賀 浩一 仙台高等専門学校, 地域イノベーションセンター, 教授 (30270200)
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Keywords | 海水の淡水化 / 太陽光利用 / パラボラ反射板 / 微細水滴 / 選択吸収素材 |
Research Abstract |
本研究は、自然エネルギーである太陽光を用いて海水を淡水化する装置を実現するものである。太陽光はエネルギー強度が高く、一般家庭の屋根には石油に換算して18Lタンク500本のエネルギーが1年間に降り注いでいる計算になる。しかし、このエネルギーを効率的に他のエネルギーに変換することは容易ではない。本研究の海水の淡水化手法は単蒸留法という非常にシンプルなものであり、海水を蒸発させた後、それを冷却することにより淡水となる。海水の蒸発効率は沸点である100℃が最も大きく、この温度を保つことが出来れば高い蒸発効率を維持することが可能となる。しかし、水は熱容量が大きく、その温度を100℃に維持させることは極めて難しい。太陽光でこの温度を維持するには太陽光をレンズあるいは反射板により集光させる必要がある。また、水の蒸発量は表面積に比例することから出来るだけ大きな表面積を確保しなければいけない。太陽光の集光と表面積に確保は相反する項目となる。 本研究では太陽光追尾可能なパラボラ反射板で蒸発容器に集光し、蒸発容器内壁に霧状の微細水滴を噴霧する方法でその問題を解決した。噴霧方法はスプレー等が想定されるがスプレーノズルにゴミが詰まりやすくそのメンテナンスが非常に難しいことから、スリットが入った回転円盤上に海水を滴下し、円盤の遠心力とスリット端面への海水の衝突により微細水滴を形成する方法を考案した。また、海水の蒸発に寄与する太陽光の波長は近赤外から遠赤外領域に分布する事からこの領域の太陽光を効率的に吸収する塗料の選定を進めた。蒸発容器が加熱されるとその表面から黒体輻射により輻射熱が発生し、その発熱量は入射熱量の50%にも及ぶ。この問題を解決するために太陽光を吸収しやすく輻射しにくい選択吸収素材の検討も行い、淡水化効率40%を達成した。
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Research Products
(1 results)