2013 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムにおける高頻度組換え部位の形成基盤:新視点からの解析
Project/Area Number |
23651185
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大山 隆 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60268513)
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Keywords | 減数分裂 / 相同組換え / 組換えホットスポット / DSB / 遺伝情報 |
Research Abstract |
減数分裂期組換えにおいては高頻度組換え部位が形成されるが、そのような部位に共通する塩基配列はこれまで見出されていない。そこで本研究は、クロマチン内の特定の領域に組換え部位が形成される分子的背景を明らかにすることを目的として、高頻度組換え部位、とりわけ二本鎖DNA切断(DSB)のホットスポットにDNAの物理的特性における特徴があるか否かについて、さまざまな解析を行ってきた。そして前年度までに、出芽酵母とマウスの全DSBホットスポット(以下DSBh)ならびにそれらの対照領域を対象として、平均的柔軟特性プロファイルを解析した。その結果、出芽酵母のDSBhは対照領域に比べて極めて硬いこと、また、マウスのDSBhは逆に極めて柔らかいことを発見した。 平成25年度は、出芽酵母、分裂酵母およびマウスの3種の生物を用いて、DNAの二本鎖崩壊エネルギー(二本鎖の安定性の尺度になる)とタンパク質によるDNAの変形能に関して、DSBhが特徴的な特性を有するか否かについて調べた。なお、これらの解析は、全てのDSBhの平均的プロファイルを解明するという形で行われた。その結果、二本鎖崩壊エネルギーに関しては、解析対象としたすべての生物で、DSBhが周辺領域に比べて特徴的に高いエネルギーを示すことが明らかになった。また、タンパク質によるDNAの変形能に関しては、出芽酵母と分裂酵母では、周辺領域に比べてDSBhは変形に抵抗性を示すが、マウスのDSBhの場合、逆に、より変形しやすいことが明らかになった。このように平均像として見ると、これまでの研究でDSBhに特徴的な種々のDNA特性が解明された。しかし、個別的に見ると、上記の特徴を示さないDSBhも存在する。そこで現在、これまでの解析に関して特徴を示さない個別のDSBhが他にどのような特徴を有しているかを解明すべく、解析を進めている。
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Research Products
(4 results)