2011 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムDNA中に新規に発見された5-ヒドロキシメチルシチジンの配列決定法の開発
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23651188
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
花見 健志 独立行政法人理化学研究所, LSA要素技術開発ユニット, 研究員 (60392073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 昌可 独立行政法人理化学研究所, オミックス制御研究ユニット, ユニットリーダー (90344027)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | 5-ヒドロキシメチルシチジン / 化学変換 / 配列決定 |
Research Abstract |
オリゴマー中の5-ヒドロキシメチルシチジン(5-hmdC)の塩基に対する化学変換を利用した検出系の開発を目的として、以下の5項目に示す実験を行った。 (1)5-hmdCの保護と反応性の検討のため、モノマーの合成を行いDNAオリゴマーの合成に用いた他、HPLC等での塩基に対する化学変換反応追跡のための基準物質とした。この合成の際に、これまでの報告例ではDNA合成機に用いる形に最適化されていたので、ヌクレオシドを合成しやすいように反応経路を最適化した。またアセトニトリル等のアプロティックな溶媒で、アミノ基と5-ヒドロキシメチル基を架橋する形での保護反応が進行することを確認した。 (2)DNAオリゴマーが長鎖アルキルアンモニウム塩存在下DMSOのようなアプロティックな溶媒に溶解することをUVスペクトルから確認した。 (3)DMF中に1%の臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)存在下、5-hmdCが導入されたオリゴマーにカルボニルジイミダゾールを反応させた。これをHPLCで精製したのちに酵素分解法によりモノマーに分解、これをHPLCで確認したところ、5-hmdCが選択的に反応したと考えられるピークが得られた。 (4)既報にしたがって亜硝酸ナトリウムによる塩基の化学変換検討を行い、シチジン類がウリジン類に変換されることをHPLCで確認した。また5-hmdCは保護することにより、化学変換反応において変化しないことをHPLCで確認した。 (5) (3)、(4)で示した条件で長鎖のオリゴマー中に含まれる5-hmdC選択的な保護基の導入し、簡易カラム等で精製後シーケンスサンプルの調整を行ったが、ライブラリの作成までは至らなかった。残存している有機溶媒とCTABが何らかの悪影響を与えていると考えられる。
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