2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23652046
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
朴 美貞 国際日本文化研究センター, 研究部, 機関研究員 (50589992)
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Keywords | 朝鮮博覧会 / 朝鮮風俗 / 日本人居留地 / 京城 / 植民地都市 / 文化住宅 / 絵はがき / 非文字資料 |
Research Abstract |
朝鮮博覧会の開催に至るまでの京城の都市空間の変容と特質を、「文化住宅」を中心に、朝鮮への受容と展開(京城の都市計画を中心に「文化住宅」志向はいかに「洋風」「和風」「朝鮮風」の様式を展開させたのか)に関する現地調査を行った。調査・分析の際に用いた一次資料の中には、文字資料だけではなく、絵葉書・地図・絵地図・写真・旅行案内冊子などの非文字資料も重要な史料として活用し、史料としての学術的価値を十分に認識した。 「非文字資料」に関する研究・歴史的資料(史料)としての学術的認識を高め、それらの取集・保存(データベース化)・活用方法をめぐって「一般コレクターと研究者」の協議の場として主に近代アジアをめぐる「絵葉書研究会」を推進した。 本研究会は3回開催し、3回目には、国内外の美術史学、社会学、歴史学、建築学、情報学、考古学等々の諸分野の研究者をはじめ、絵葉書研究者、コレクターを交えての議論を行った。これにより従来の絵葉書研究における偏狭さを超えて、絵葉書の現存実態を把握すると同時にコレクター側の研究実態と研究者側の絵葉書研究を結びつけ、絵葉書の持つ研究対象としての歴史的価値を発見し、日文研所蔵の絵葉書をはじめ関連の画像データの保存や活用に関する相互の協力、非文字資料に関する研究の将来性や研究の方向性に関する相互認識と今後の継続的研究基盤を形成した。 また非文字資料は日本と近隣のアジア諸国における植民地問題(遺産)を引き継ぐうえでの、視点のズレ(誤解・紛争)を克服するためにも貴重であり、国内外の各所蔵先との連携も必要であると考え、ソウルの現地調査の際にはソウル市立歴史博物館、ソウル学研究所などを訪問して関連内容と今後の進展に関して協議し、今後の協力体制等を構築した。
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