2012 Fiscal Year Research-status Report
中国近世白話文学コーパスへの文学理論研究に資する情報付与の基礎的研究
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23652074
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
笠井 直美 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (90251389)
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Keywords | 白話小説 / 戯曲 |
Research Abstract |
平成24年度は、前年度に引き続き、コーパス構築の基礎となる中国近世の白話文学(戯曲・白話小説等)の電子テキストの整備の一環として、研究上重要で、現在まで良質な電子テキストがまだ公開されていない白話文学の諸版本につき、版本の実地調査・使用版本の選定・マイクロフィルム版等の入手を行い、うち明刊の雑劇を中心に二十余種につき、版本のスキャニング・OCRを行い、その一部について校訂作業を進めた。また、所蔵館からマイクロフィルム複製が部分的にしか許可されなかった版本の一部につき、別の版本に基づいてOCRを行ったテキストを当該館に持参し、それと校勘を行うという方法でテキストファイル作成・校訂作業を進めた。 コーパスへの情報付与に関しては、前年度に暫定的なDTDを作成した白話小説の批評(総批・夾批・眉批)については試行的な情報付与、半自動化を試みた。また、メタデータ・ディスコース情報・戯曲作品中の脚色(役柄)や話者の情報付与等について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の柱の一つである、情報付与の対象とする電子テキスト(プレインテキスト)の整備のうち、一部の版本については所蔵館からマイクロフィルム複製が部分的にしか許可されず、いわば手作業で(詳細は「概要」に記述)テキストファイル作成・校訂を行ったため、作業に予定より時間がかかりもう一つの柱である、コーパスへの情報付与に関わる研究時間を圧迫した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、情報付与の対象とする電子テキスト(プレインテキスト)の整備・校訂、文学研究及び隣接分野の研究に有効な情報付与項目・付与形式の検討を行うとともに、これを承けて、タグつきコーパスの試作(白話小説の批評(総批・夾批・眉批)に関する情報付与作業の進行・試用した結果わかった不具合のフィードバック、形態素解析ソフトによるPOSタグ付け・POSタグ付きテキストへのディスコース情報等の付与等の試行を含む)・試用に向け作業を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
電子テキストの底本となる版本の調査・マイクロ(写真)撮影・複製、スキャニング、テキスト化、作業アシスタント・情報処理の専門家への謝金等に使用する予定である。
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