2011 Fiscal Year Research-status Report
メタ言語能力を活用した科学教育の可能性に関する研究
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23652088
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大津 由紀雄 慶應義塾大学, 言語文化研究所, 教授 (80100410)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | メタ言語能力 / 科学教育 / 言語知識 / しりとり |
Research Abstract |
メタ言語能力を活用した科学教育の可能性についての研究を開始するにあたって、初年度である本年度は主としてメタ言語能力の発達について調査した。1 メタ言語能力の発達に関する文献を調査した。その結果、「メタ言語能力」「メタ言語意識」などの名称で呼ばれている、言語知識を客観的に捉える力についての考えが研究者間にばらつきがあることが判明した。この点については、本研究を進めながら、考察を重ね、本研究終了時までに、研究代表者の見解をまとめることにした。2 しりとりを利用した、メタ言語能力の発達に関する実験調査を3歳児から12歳児までを被験者として行なった。その結果、言語発達に比べ個人差が大きいながらも、一定の型が観察された。まず、3歳児ごろまでにはメタ言語能力の萌芽が見られ、学齢期までにはメタ的判断について、言語による一定の理由づけもできるようになる。小学校期は音韻、形態、統語、談話の各レベルで、メタ言語能力が著しく発達する。なお、個人差が観察され始めるのもこの時期である。3 科学教育の現状に関する文献を調査した。その結果、科学教育はほぼ「自然科学」の領域を対象としたものに限られており、言語知識を利用したものはないに等しいことがわかった。また、研究代表者の研究室に訪問研究員として滞在中の高等学校教諭(国語科教員)の助言を受けつつ、予備的な教材の開発を行い、小学生、中学生、高校生を対象にその一部を実際に用いて模擬授業を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メタ言語能力の捉え方について見られる研究者間のばらつきは予想以上のものであったが、その分、メタ言語能力に関連する要因を多角的に検討することができた。結果として、現在までの達成度はおおむね計画どおりとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
1 「メタ言語能力」という概念の明確化2 メタ言語能力の発達に関する調査の継続3 メタ言語能力を利用した科学教育のモデル形成4 小学生から大学生を対象とした科学教育教材の開発
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1 物品費:関連する図書の購入、研究に必要な消耗品の購入2 謝金:研究者・教育者との意見交換3 旅費:成果の発表、研究者・教育者との意見交換
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Research Products
(9 results)