2012 Fiscal Year Research-status Report
メタ言語能力を活用した科学教育の可能性に関する研究
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23652088
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大津 由紀雄 慶應義塾大学, 言語文化研究所, 教授 (80100410)
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Keywords | メタ言語能力 / 科学教育 / 言語知識 / あいまい文 |
Research Abstract |
メタ言語能力を活用した科学教育の可能性について初年度の研究成果をもとに、メタ言語能力の規定とその発達について調査し、教材作成に着手した。 1 メタ言語能力の発達に関する文献の調査を継続した。その結果、「メタ言語能力」を「当事者の母語の知識を意識化する能力」という暫定的な規定を採用することとなった。この規定については、最終年度である、来年度末までにさらに検討を加え、最終的な規定をまとめる。 2 あいまい文を利用した、メタ言語能力の発達に関する実験調査を3歳児から12歳児までを被験者として行なった。その結果、昨年度行ったしりとりを用いた実験調査と同様の結果が得られた。言語発達に比べ個人差が大きいながらも、一定の型が観察された。まず、3歳児ごろまでにはメタ言語能力の萌芽が見られ、学齢期までには メタ的判断について、言語による一定の理由づけもできるようになる。小学校期は音韻、形態、統語、談話の各レベルで、メタ言語能力が著しく発達する。なお、個人差が観察され始めるのもこの時期である。 3 科学教育の現状に関する文献を継続調査した。その結果、科学教育はほぼ「自然科学」の領域を対象としたものに限られており、言語 知識を利用したものはないに等しいことが確認された。また、研究代表者の研究室に訪問研究員として滞在中の小学校教諭(外国語活動担当)と高等学校教諭(国語科教員)の助言を受けつつ、教材の開発を行い、小学生、中学生、高校生を対象にその一部を実際に用いて模擬授業を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「メタ言語能力」の規定、メタ言語能力の発達に関する調査、教材開発ともに、ほぼ予定どおり進行しており、現在までの達成度はおおむね計画どおりである。最終年度である来年度末までには当初の目標を達成できると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
1 「メタ言語能力」という概念の明確化 2 メタ言語能力の発達に関する調査の継続 3 メタ言語能力を利用した科学教育のモデル形成(来年度の重点項目) 4 小学生から大学生を対象とした科学教育教材の開発(来年度の重点項目)
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1 物品費:関連する図書の購入、研究に必要な消耗品の購入 2 謝金:研究者・教育者との意見交換 3 旅費:成果の発表、研究者・教育者との意見交換
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Research Products
(6 results)