2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本語学習者の音感とアクセントの知覚が音声コミュニケーション能力に及ぼす影響
Project/Area Number |
23652116
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
玉岡 賀津雄 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 教授 (70227263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 信浩 九州大学, 留学生センター, 講師 (20600125)
杉村 泰 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 准教授 (60324373)
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Keywords | アクセント / 日本語学習者 / 中国語母語話者 / 聴解 / 語彙処理 / 語彙の知覚 / 母語の影響 / バイリンガル |
Research Abstract |
中国語および韓国語を母語とする日本語学習者のアクセント習得過程を解明するために、中国および韓国で、ピッチ・アクセント習得の調査を実施した。また、日本語のアクセントは語彙レベルの特性であるため、語彙力も同時に測定して、アクセントの知覚がどのくらい語彙力と関係しているかも検討した。(1) 233名の中国人日本語学習者に64語のアクセントの知覚および語彙テストを実施した。アクセントは語彙力との関係があることが分かった。語彙力が高くなるにしたがって、アクセント理解も高くなっており、アクセントと語彙の習得とが密接に関係していることがわかった。また、頭高型は、平板型として知覚される傾向があることも分かった。(2) 韓国人日本語学習者との比較では、母語にピッチ・アクセントの一種である声調アクセントを持つ中国語母語話者の方が、アクセントの習得が進んでいた。(3)ソウルと釜山の比較では、正しいアクセントの判断では大きな違いが見られないものの、正しくないアクセントについては、釜山方言話者はソウル方言話者よりもより正確に間違いであることを知覚することができていた。釜山方言には、日本語のようなピッチ・アクセントを有しており、その肯定的な影響は誤りを正しく指摘できることに強く貢献していた。以上のように、アクセントの知覚は、語彙の特性であり、語彙習得と強く関係していた。さらに、母語のアクセントの特徴の影響も観察された。
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Research Products
(8 results)