2011 Fiscal Year Research-status Report
日本語・コミュニケーション能力の育成に関する基礎的・臨床的研究
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23652122
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小野 博 昭和大学, 富士吉田教育部, 客員教授 (10051848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穗屋下 茂 佐賀大学, 高等教育開発センタ-, 教授 (70109221)
田中 周一 昭和大学, 富士吉田教育部, 講師 (40569464)
工藤 俊郎 大阪体育大学, 体育学部, 准教授 (10186413)
加藤 良徳 大阪体育大学, 健康福祉学部, 准教授 (20434540)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | コミュニケーション能力 |
Research Abstract |
近年,日本の大学では学力の低下に加え、教員や仲間とのコミュニケーションが取りにくい学生が増加している。コミュニケーション能力の欠如は入学時の初年次・リメディアル教育の取り組みへの意欲の低下や学習効果が上がらないことが危惧される。筆者らは快適な大学生活を送り,教育・学習に取り組むために必要なコミュニケーション能力を「学習型コミュニケーション能力(SCA))」と呼び,その構成要素,高めるための個人的資質,それらの測定方法や育成方法について理論的・実践的な研究を進めている。まず、対面会話力である言語「発信力」・「受信力」を始めとするSCAを構成する要素を測定することとした。そこで、既存の心理特性測定尺度および社会的スキル測定尺度を参照してSCAを測定する調査用紙を試作し,約2,000人の大学生に調査を実施した。その結果,「発信傾向」は「自尊感情」や「自己肯定意識」と一定の相関を示した。また「達成動機」ともある程度の相関を示した。次に、SCAについて大学・学部間の比較を行った。両者において私立(工学系)が一番低く,私立女子短大(文系)が一番高かった。従来から指摘されていた理系学生の「発信傾向」および「受信傾向」が低いことが確認された。次にSCAを高める方策として,役者による「コミュニケーション能力育成講座」を試行した。学習内容は、会話ストレッチ,筋力トレーニング,呼吸法・発声・活舌,イメージトレーニング,ボディートレーニング(喜怒哀楽を身体で表現),感性トレーニング(即興劇・漫才・パワートーク・ゲーム)などから,大学の担当者と協議して理系大学、医系大学で実施した。その結果,4時間程度の短時間の実習でも「発信傾向」「受信傾向」「学習積極性」など心理特性及び役者の観察、本人のアンケート調査においてもその向上が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は学生の学習型コミュニケーション能力(SCA)の測定方法の開発、コミュニケーション能力育成講座の試験的実施と講座前後の能力向上の検証、講座の改良・普及を図ることである。そこで、筆者らは、(1)大学生の入学時及び就活時に必要なコミュニケーション能力をSCAと定義した。(2)SCAを測定するテストを開発した。(3) 言語受信力・発信力からなる対面会話力としてのコミュニケーション能力を育成する方策について研究し、短時間でコミュニケーション能力を高める育成講座を試行した。講座後に対面会話力の向上を確認するための調査も開発、講座前後のSCAの向上が認められた。(4)役者を利用したコミュニケーション能力育成講座を千歳科学技術大学及び昭和大学で実施し、担当教員の予想以上の成果が得られた。また、心理テストでも向上が認められた。(5)今後、この研究を進めるためには全国的な規模での調査や臨床試験が必要だと考えており、日本リメディアル教育学会に専門部会として「コミュニケーション能力育成部会」を設けた。専門部会の教員の協力を得て、約2000人の心理検査を実施した所、私立、国立の理系学部学生のコミュニケーション能力は低く、文系、特に私立短大は高い結果が得られ、教員の感覚と一致した。このように平成23年度予定していた目的は全て達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
大学生のコミュニケーション能力の育成に関する要求は大きい。特に日本経団連の新卒採用に関するアンケート調査では,企業が選考にあたって重視した点として「コミュニケーション能力」が7年連続第1位であることが知られている。そのため,多くの大学で就活を目的としたコミュニケーション能力の育成への取り組みをしようとしているが、具体的な有効策の報告は少ない。また、文科省は将来、海外、特にアジアで活躍するグローバル人材の輩出を各大学に求めているが、最近の学生は内向き志向で外国への興味関心が低く海外旅行までしたくない学生が増加している。そこで、2000人の大学生のコミュニケーション能力の調査結果に基づいて調査項目の精選・追加を進めているが、その際に「内向き志向き度」測定する項目を試作する。また、本研究を拡張し、コミュニケーション能力育成講座に関し、快適な大学生活を送り初年次、リメディアル教育・学習に取り組むことを目標とした1年生用ぷ五グラムと、面接等で相手の言うことを聞き、分析・試行し、適切な回答を返し、自分のことややりたい仕事を積極的に話せるようになる4年生の就活用のプログラムの開発を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1年生、4年生用のプログラムを開発するため、福岡大学や能力育成講座に関心を示す大学において、現役の役者を中心に地元の役者、大学の演劇部の学生の応援を打て、両プログラムを完成するための謝金、アルバイト料、旅費・交通費として使用し、その他、消耗品等に当てる。
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Research Products
(1 results)