2011 Fiscal Year Research-status Report
スタイルとインターラクションを活かす英語学習者方略トレーニング
Project/Area Number |
23652149
|
Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
若本 夏美 同志社女子大学, その他部局等, 教授 (50269768)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 第二言語習得 / 学習者方略 / 学習スタイル |
Research Abstract |
平成23年度、目的とした「Strategyingモデルの構築」に向けて、以下に述べる二段階の研究を行った:(1)第一フェーズ(量的データ調査:学習者のストラテジー使用と学習スタイルの調査)、(2)第二フェーズ(ストラテジー・トレーニングプログラム)。また関連する書籍を購入し、理論研究を行った。(1)第一フェーズにおいては、プロジェクト参加者の学習スタイルと学習者方略の調査を実施した。プロジェクト参加者は当初の予定よりも20名少ない180名であった。この調査のためにこれまで開発されてきたSILLの改変の手続きを行った。調査の結果、学習者の外向性特性と情意的・社会的方略との間に有意な相関関係が認められた。またプロジェクト参加者の特性(大学生)が学習者方略に顕著に現れていることが確認された。すなわち、認知的方略の使用頻度が他の方略(コミュニケーション、メタ認知、情意的・社会的方略)よりも低かった。このことはストラテジートレーニングプログラムを策定する上で重要な情報となり、トレーニングすべき対象ストラテジーを認知方略、特に使用頻度が高校時代と比較して低かった語彙学習に関するものとした。(2)第二フェーズにおいては、18名の参加者を得て、これまで想定してきた学習スタイルと学習者方略の対応及び学習者同士が互いにscaffoldしながら、自分自身に適応する学習者方略を探索するStrategyingモデルを適応し、10週間のトレーニングを平成23年9月末より11月上旬にかけて実施した。トレーニング後のフォーカス・グループインタビューの結果、実験参加者はMotivationを維持しながらこれまで利用してこなかった学習者方略を活用していたことがわかった。一方、scaffoldingがうまく機能したため学習者個々人に適した方略を探索する姿勢が弱かったことが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画したとおり、学習者方略調査のための質問紙SILLの改訂及び実施、学習スタイルの調査といった量的データの収集が完遂できている。また、この研究の最終目的である「学習スタイルを活かす英語学習者方略のトレーニング」を18名の参加者に対して実施できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、被験者のリクルート(大学生1回生を対象に参加者160名)し、平成23年度と同様、学習者方略と学習スタイルの調査をおこない、平成23年度の結果と比較する。また、第2回目のストラテジー・トレーニング(Strategying)を18名程度の大学生英語学習者に対して実施し、特にscaffoldingがどのように作用するか(Motivationの維持と各自の学習スタイルに適応した方略の探索など)を確認し、Strategying Modelの検証を行う。この2年間の研究成果を来年度(平成25年度)の国内学会及び海外学会で発表する計画である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き理論研究も必要なため関連する書籍及び新たな発想が得られうる書籍を購入する。また、資料収集のため国内学会へも出張を計画している。同時にデータ分析のためにラップトップコンピュータや新たな方略活用の方法としてiPadや他言語学習ソフトウエアの購入を計画している。
|