2012 Fiscal Year Research-status Report
異宗派間の婚姻―近代ハンガリーにおける制度・議論・個別事例
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23652170
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
渡邊 昭子 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (20293144)
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Keywords | 西洋史 / ハンガリー史 / 教会史 / 婚姻 |
Research Abstract |
ハンガリー国立図書館等において、昨年に引き続き研究文献を調査して研究史を整理し、研究動向を検討した。とくに昨年あまり時間をかけられなかった近年の動向に絞って調査したところ、離婚をテーマに研究しているナジの一連の研究が重要であることがわかった。ナジは、1890年代の民事婚法成立以前に、離婚手続が最も容易であったユニテリアンに改宗して離婚した諸事例を取りあげている。とはいえこれらは、異宗派館の婚姻というテーマを正面から扱った研究ではない。 文書館調査としては、ブダペシュトのユニテリアン教会の文書館が利用可能であったことから、同文書館に通って、史料調査を進めた。ユニテリアンに改宗してから離婚する事例は、ナジが取り上げた以前にも、すでに同時代の新聞雑誌で取り上げられ論じられていたことが、前年の調査でわかっていたためである。同教会文書館に保管されている婚姻関係の史料は、夫婦ごとのファイルにまとめられており、そこには、以前の離婚に関する書類も含まれていて、改宗後の再婚という事例も多く見られた。これらの史料をもとに、事例それぞれの再構成を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査2年目に予定していた教会文書館調査をおこない、個別事例を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今回得られた個別事例を分析し、さらに他宗派での事例も探し、社会的背景を調査して、論文にまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ブダペシュトへの渡航費と滞在費、文献購入および史料コピー代、資料整理のためのパソコン周辺機器購入費用にあてる予定である。
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Research Products
(1 results)