2011 Fiscal Year Research-status Report
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23653165
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare Junior College |
Principal Investigator |
千葉 千恵美 高崎健康福祉大学短期大学部, 児童福祉学科, 教授 (00352550)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際結婚 / 子育て支援 / 子ども家庭福祉 / 家族支援 / 相談援助 / 保育相談 / 社会福祉関連 |
Research Abstract |
大学近隣の市町村の保育所に出向き、国際結婚児と家族について調査し事例検討を行った。A町は工場の勤務する外国人女性が日本人男性と結婚することが多い。対象とした国際結婚児は5例であり、4例は母親がブラジル人、2例は母親がフィリピン人であった。子ども自身よりも母親の葛藤が大きく、母親を支援することの重要性を理解した。 母親の葛藤内容はさまざまであり、日本語が使えない、文化的違いに戸惑う、家族関係の在り方が異なる、子どもがいじめにあっていると感じるなどであった。 保育所における国際結婚児を観察する時のポイントとしては、日本語の習得度(これを理解していないと発達障害と間違われる)、子ども同士の交流、親子の交流などである。国際結婚児はそれを支える家族についての理解も重要であり、婚姻の成立過程、夫の両親との関係、夫婦のコミュニケーションなどについて「国際結婚家族」についての知識が保育士には必要だと理解した。 全国の保育所を対象にした国際結婚児の現状調査であるが、調査表を作成した段階で東日本大震災が生じ、東北地方の保育所の状況を考慮し、平成24年度に行う予定にした。 米国におけるCFHA(Collaborative Health Care Association)に参加し、研究者が行ってきた親子ふれあい教室の効果研究を発表すると同時に、国際結婚児支援の在り方について、参加者と意見交換を行った。またComminuty Practitoner Volume 84 Nomber 10(英国学術雑誌)においてChildcare support at nursery schools in Japan:current services and future needsを記述した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大学近隣のA町を中心にして地域における国際結婚児の支援についてはネットワーク形成が開始された。実際の支援過程や国際学会での情報収集において、いくつかの支援のための視点を抽出することができた。その内容については、平成24年5月4日の日本保育第65回 日本保育学会(国際結婚児への子育て支援 保育現場からのアンケート調査(2)ー事例検討を通じて得られた地域ネットワークによる支援体制の必要性 東京家政大学)で発表している。地域ネットワークにおいては、A町(行政)との連携を取り、国際結婚している母親にむけた町で配布するパンフレット(保育所入所手続き等)への協力支援をおこなった。 全国を対象にした国際結婚児調査については、震災の情報を鑑み、平成24年度に行う予定にしており。すでに発送準備を始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
国内の保育所リストから無作為抽出で1200か所を選び、群馬県内で行った先行研究をもとに作成した調査票を郵送し回収する。回収率は50%を目指す予定である。得られた記述データについては内容分析を行い解析する。 継続して近隣に住む国際結婚児への支援を行い、国際交流協会との連携を深め、大学、市町村、医療機関、教育機関とのネットワーク形成を目指す。 国際結婚の親子を対象にした親子ふれあい教室およびコンサートなどの支援を行い、母親の参加する前後の気分状態をPOMS短縮版を使って調査する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度実施予算は216370円をアンケート調査の郵送代にすべて使用する。
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