2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23653185
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
速水 敏彦 中部大学, 人文学部, 教授 (20116172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小平 英志 日本福祉大学, 子ども発達学部, 准教授 (00442228)
青木 直子 藤女子大学, 人間生活学部, 講師 (20453251)
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Keywords | 家事の動機づけ / 生活習慣 / 就労群 / 専業主婦群 / 家事量 / 平等的性役割観 |
Research Abstract |
2011年度は面接によって習慣的で無意識的な家事の動機づけの様相を明らかにした。面接を用いたのは微細な心の動きを周知しておく必要があると考えたためである。研究協力者は子ども全員が小学校6年生以下である女性55名で年齢は23.5歳(平均36.7歳)であった。面接内容は特に家事の動機づけを支える感情や認知の変化に注目したものであった。炊事に関して作業前はネガティブな感情を報告する人が多かったが作業後はポジティブな感情を報告する人が多かった。しかし、このポジティブな感情は次の作業までは持続していなかった。同じく認知の変化については作業前に手順や作業内容を考えたり、時間のなさや義務感を感じている人が多かった。作業後は達成感を感じている人が多かった。 2012年度は家事の動機づけの高低がどのような要因の影響を受けているかについて調査を通して検討した。その要因としてデモグラフィック要因(年齢・就労の有無)、個人特性の要因(パーソナリティや価値観)と外的環境要因(家族との関係性や家族の家事行動量)などを想定した。調査対象は10代から60代までの女性1025名であったが分析対象としたのは20代から50代の953名(平均年齢37.7歳)であった。まず、家事の動機づけの尺度を因子分析して興味関心・効力感、義務感、生活習慣、生活必要感、代替者不在感の5因子を抽出した。家事の動機づけの高さと本人の家事量(炊事、洗濯、掃除)には有意な相関があった。年代による変化としては生活習慣、生活必要感、代替者不在感で有意さがみられ、概して20代で低く、30代以降高まるが40代では一次的に低まる傾向も見られた。また就労群と専業主婦群に分けて動機づけをみたところ、どの群も後者の方が前者よりも高かった。一方個人特性との関係に関しては家庭に価値をおくほど動機づけが高かったり平等的性役割観をもつほど動機づけが低かった。
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Research Products
(4 results)