2011 Fiscal Year Research-status Report
学校精神保健における精神科医療アクセス阻害要因の探索的検討
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23653190
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
細羽 竜也 県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (40336912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 努 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (70316131)
越智 あゆみ 県立広島大学, 保健福祉学部, 助教 (60445096)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 精神科医療機関 / アクセス / 学校精神保健 / 阻害要因 / 促進要因 |
Research Abstract |
平成23年度には以下の2つの事業に着手した.(1)精神疾患に係る医療あるいは相談援助場面での研究状況の把握および若年層の地域精神保健支援システムの実態調査 本研究では,精神疾患の罹患可能性がある若年層が現状の精神科医療へアクセスすることを躊躇う要因の検討を想定している.調査前に,学会や研修会などを通じ,精神科医療の専門家の援助の効果や専門機関のシステム化について情報収集を行った.その結果,現状では,学校を含む地域の諸機関と連携して医療サービスの提供を行う取り組みが注目を集めていた.学校側でも積極的に医療機関と連携を図る体制を作り,学校生活を送りながらの医療サービス提供を円滑に行うシステムの導入が必要と考えられた.また,自治体等の青少年育成支援事業として,「ニート・ひきこもり」への支援に関する研究事業に参加することにより,(1)精神疾患への理解の低さ,(2)相談支援へのアクセスの低さ,(3)相談援助機関のネットワークの不十分さ,など本研究と関連する事項について課題の整理を行った.また若年層への支援に関する精神保健に関わる講座を行ったところ,一般にニーズが高く,こうしたサービスに関する社会的ニーズが高いことがわかった.(2)研究倫理審査委員会提出のための研究計画調書作成 先行研究の知見を整理し,調査票を構成して研究倫理審査の審査中であり,終了後,調査実施の段階に入る予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調書に示した調査計画ではステップ2まで行っている必要があったが,調査研究自体はステップ1の実施段階に留まっている.ただし,ステップ3については,平成23年度に研修プログラムの予備研究をすでに行っている. 本研究は,精神疾患の早期発見・早期介入のための要因検討の位置づけであるが,こうした取り組みについては,様々な文献では肯定的な評価が認められるものの,社会運動としての慎重論・否定論も強い.そのため,研究計画の整備に慎重を期した.
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Strategy for Future Research Activity |
ステップ1の調査研究は7月までに終了させる予定である.その結果をまとめ,8月には速やかにステップ2とステップ3の実施段階に移行する予定である.なお,全ステップを12月末までには終了するスケジュールで現在進行中である.ただし,各ステップでのすべての研究ステップに研究倫理審査を行うことや,得られたデータに対しても中立性を保持することは言うまでもない.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査の分析および研修プログラムの開発費に諸経費を含め,35万円(調査票作成諸経費10万円,分析ツール20万円,プログラム協力報償費 5 万円)の活用を想定している.その他は報告書作成経費と考えている.
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Research Products
(8 results)