2011 Fiscal Year Research-status Report
表情フィードバック仮説を応用した笑顔装着具による気分の落込みの改善効果の検証
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23653197
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
早川 東作 東京農工大学, 保健管理センター, 教授 (60272639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守 一雄 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30157854)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 表情フィードバック仮説 / うつ / 気分の落ち込み / 大学生 / 潜在連想テスト / 感情誤帰属手続き / バンドエイド / 笑顔 |
Research Abstract |
表情フィードバック仮説に基づいて、笑顔を作ることの臨床的な応用効果について実証的な研究を行った。具体的には、申請者ら(Mori & Mori, 2009)が考案し、健康な大学生を用いてその効果が検証済みの「スマイルエイド」(バンドエイドと輪ゴムを使って頬を引き上げる装着具)を、気分の落込みを訴える学生に対して用い、その効果を検証する実験を実施した。「スマイルエイド」による笑顔の効果の測定は、感情誤帰属手続き(Affection Misattribution Procedure: Payne, et al., 2005)と申請者らが開発した紙版の潜在連想テスト(FUMIEテスト、Mori, Uchida, & Imada, 2008)を用いた。 実験は、健常大学生を被験者としたものと大学の健康管理センターへ気分の落ち込みを主訴として来談した学生を被験者としたものの2種類を行った。 健常大学生を被験者とした実験は完了し、仮説通り、スマイルエイドによって作られた笑顔であっても、感情誤帰属手続きで有意に好意的な反応が多くなることが確認された。この研究成果は論文にまとめ、投稿した(Mori, Mori, & Hayakawa, 2012)。 気分の落ち込みを訴える学生を被験者とした実験は、被験者が当初の計画通りには集まらず、まだ分析に必要な数のデータ収集に至っていない。今後、実験を継続し、被験者数を増やし、実験仮説の検証を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおりに、2種類の実験をスタートさせ、そのうちの一方(健常大学生を被験者とするもの)については、実験データ収集を終え、成果を論文にまとめて投稿する段階まで達することができた。この点に関しては、当初の計画以上に研究が進展したと言える。 一方、気分の落ち込みを訴える学生を被験者とする実験はスタートしたものの、充分な数の被験者を集めることができなかった。実験は継続中であり、この点ではやや計画に遅れが生じていると考えられる。 両方を勘案するとおおむね研究は順調に進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究にやや遅れが生じている気分の落ち込みを訴える学生を被験者とした実験の進捗を図るため、研究分担者を追加し、より協力な研究体制を作る予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者の追加により、旅費の支出増が予想される。その他に関しては、当初の予定通りの研究費支出が予定されている。
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