2013 Fiscal Year Annual Research Report
微小重力下の磁気誘導運動に基づく単一粒子の磁化およびその異方性の検出
Project/Area Number |
23654123
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
植田 千秋 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50176591)
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Keywords | 磁気異方性 / 非晶質シリケート / 微小重力 / 回転振動 / 電子スピン共鳴 / 空間分布 |
Research Abstract |
昨年度までは単一粒子試料のχを検出する手法の開発を進めてきたが、本年度は磁気異方性Δχ(単位質量当)の検出を進めた。即ち非晶質シリカの一種であるテクタイトの表面の局部領域で,一般の結晶性シリカと同レベルの異方性が存在することを,新に開発したΔχのdepth profile計測技術によって見出した.さらに上の測定と同じ試料片でESR計測を行い,検出したΔχが単一Feイオンの異方性に起因することを確認した. ESR測定で得た単一Feイオンの結晶場主軸の配向状態の解析と,形成条件の差異で生じるΔχのdepth profileの差異の両面から,表面領域にΔχが発生するメカニズムを考察する基盤を得た. 熱平衡状態における粒子整列のメカニズムとしては,粒子に誘導される異方性エネルギー:½mΔχB2と熱運動:½kBTの釣合いに基づく過程が最も単純かつ一般的である.但しΔχ,粒子質量をm,系の温度をTとする.整列に要する磁場強度の指標として,異方性エネルギーが熱運動より一桁以上大きい時の磁場Bsが定義される.[ Bs = (15kBT/mΔχ)1/2 ]. 即ちΔχは粒子整列が実現する磁場強度を決める基本的なパラメータである
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