2013 Fiscal Year Annual Research Report
低温プラズマ・ラジカル誘導炭酸ガス還元法による低次有機化合物合成の基礎過程
Project/Area Number |
23654198
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飯塚 哲 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20151227)
|
Keywords | 二酸化炭素還元 / ラジカル照射 / 低温プラズマ / メタン / メタノール / 二酸化炭素削減 / インパルス放電 / 重合反応 |
Research Abstract |
本研究では、水素ラジカル照射法により、二酸化炭素をメタンやメタノールなどの再利用可能な低次有機化合物に変換するため反応の基礎過程の解明を目的としている。最終年度では、二酸化炭素をメタンに変換する反応プロセスと、生成されたメタンをメタノールに変換するためのプロセスを明らかにした。 前者のプロセスでは磁場の効果を明らかにした。有磁場反応を起こさせるために永久磁石を内蔵した2重円筒ラジカルシャワー型のパルス放電装置を製作した。磁場と電場がクロスするE×B放電方式を独自に考案した。水素と二酸化炭素の混合ガスの放電により二酸化炭素の分解率αが約20%、メタンの選択率βが約25%、エネルギー効率γがおよそ0.45L/kWhが達成された。更に水素ラジカル放射法を採用すると、αが約20%、βが約76%の高変換率が達成された。これらの値は有磁場の場合に現れたもので、二酸化炭素のメタンへの変換が高効率で達成されることが分かった。この原因としては、磁場によるプラズマ密度の増加、また水素ラジカル照射部における反応時間の増加が考えられる。 メタンのメタノールへの変換として水面水蒸気プラズマを採用した。真空容器内に設置した水容器の水面上にオリフィス付きのガラス細管を設置し、ガラス管内部に設置した電極と水面とのインパルス放電を行ったところ、メタンの分解率が約10%、メタノールの選択率が約33%の変換効率が達成された。本方式では、放電電力により水蒸気蒸発量を制御できることも分かり、省エネルギーに対応した方式といえる。 以上のように放電方式を工夫することにより二酸化炭素をメタンやメタノールに変換するための新しい方式を実現し、実用化への端緒を築くことが出来た。
|
Research Products
(4 results)