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2012 Fiscal Year Research-status Report

野生株PHA産生菌によるポリ乳酸の生合成

Research Project

Project/Area Number 23655145
Research InstitutionKyoto Institute of Technology

Principal Investigator

青木 隆史  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (80231760)

Keywords微生物合成
Research Abstract

ポリ乳酸(poly(lactic acid), PLA)が野生型の菌体内でも合成されていることを、われわれの研究室で見出している。このPLAの微生物合成は、これまでに国内外で報告されてはおらず世界で初めての発見といえる。この微生物より得られるPLAの分子量は1,000程度のオリゴマーであることから、本研究課題では、より高分子量の、または高産生量のPLAが得られる培養条件を見出し、温和な条件下で得られるPLAの新たな合成方法を確立することを目的としている。
3年間の研究期間内に、以下の2つの研究項目について明らかにする。
(1) PLAが産生される野生株の Ralstonia eutropha (R. eutropha) の培養条件を検討する。
(2) 高分子量のPLA、もしくは高産生量のPLAを得るための至適培養条件を見出す。
初年度である平成23年度では、一緒に回収される2種類のポリエステルのPHBとPLAを個別に単離精製する手法を確立した。
2年目の平成24年度には、高収量もしくは高分子量のPLAが生合成される培養条件を探索する実験において、PLAを構成する乳酸のキラリティーが培養する微生物の種類に依存して変化することを見出した。高分子量のPLA、もしくは高産生量のPLAを得るための至適培養条件の検討は、今後も継続して行う。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

野生株の Ralstonia eutropha (R. eutropha)以外の微生物においても、PLAオリゴマーを回収することに成功した。その微生物の種類により、生合成される時間などが異なることが分かった。また、乳酸にはD体とL体の光学異性体が存在し、それぞれの成分から構成されるポリD乳酸(PDLA) ポリL乳酸(PLLA)が存在する。R. eutrophaから得られるPLAはPDLAである一方で、B. megateriumではPDLLAであることが判った。それぞれの微生物が固有の生合成過程を持ち、その生化学的合成経路を経てポリ乳酸が産生されていることが理解された。このことは、微生物の種類により生合成経路が異なっていることを示唆しており、それぞれの合成経路を解析することも今後の研究対象に加わった。
一方で、高分子量のPLA、もしくは高生成量のPLAを得るための至適培養条件を見出すまでには至っていない。例えば、低分子量であっても高生成量のPLAが得られるための至適培養条件を見出すことが、当面の課題である。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度は、「高生成量のPLAが得られるための至適培養条件を見出すこと」が主要な研究課題であった。培養時間などの培養条件を変化させた場合でも、微生物の産生する量や分子量に大きな変化が認められなかった。このことは、検討した条件の範囲は、大きな影響を与えることのない、微生物にとって“誤差範囲”であって、基本的な培養条件の再検討が必要であることを意味していると考えている。培地の組成や濃度などの根本的な条件検討を25年度に行うことにより、微生物の生合成に対する応答を観察する。これらの条件を変化させてもPLAの産生量や分子量に変化が認められない場合、現段階で得られている収量や分子量が、微生物が産生する至適量であることも考えられる。いずれにしても、上記の条件検討を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

これまで同様、当該研究課題を遂行するための試薬や実験器具を中心に購入する計画である。オートクレーブが正常に作動しないことから、これを更新することが考えられる。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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