2011 Fiscal Year Annual Research Report
パルス状窒素ラジカル供給による超高品質InGaN超格子PAMBE成長
Project/Area Number |
23656015
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
天野 浩 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60202694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 雅史 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (20273261)
本田 善央 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (60362274)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | InGaN / PA MBE / 超格子 / ナノワイヤ / 内部量子効率 / LED / 太陽電池 / 窒素ラジカル |
Research Abstract |
極限効率の多色LEDを組み合わせたフルカラー・白色LEDシステムは、効率及び演色性の点で人類が作り得る究極の光源である。その実現には、高効率緑色LED及び黄色LEDが必須である。従来、III族窒化物半導体を用いたLEDはGaNを下地層として用いているため、InGaN発光層との大きな格子不整合により、高効率緑色及び黄色発光層は実現できず、外部量子効率は緑色LEDで20%以下、黄色LEDでは10%以下に留まっている。また、同材料を用いた太陽電池の理論上の変換効率は50%を超すが、現状では高In組成高品質InGaNの厚膜成長が困難であるため、集光型でも3.4%に留まっている。 本研究では、プラズマ援用分子線エピタキシー(PA MBE)法において、高品質InGaN厚膜の成長が可能な超高密度窒素ラジカル源を用いてInGaNを成長し、その上に緑色LED及び黄色LED構造を成長することにより、緑色及び黄色ともに高い外部量子効率のLED、及びシングルセル20%以上の変換効率の太陽電池の実現を目指して、InGaN厚膜及びナノワイヤ構造成長の検討を行った。その結果、 (1)フラックスが不均一なため、成長中の基板回転によりInGaN/GaN超格子構造が自然形成されることが分かった。超格子構造では、単層厚膜と比較して結晶欠陥の発生が抑制され、結晶品質が優れていることが透過電子顕微鏡観察により判明した。 (2)Si(111)面基板上の無触媒成長InGaNナノワイヤでは、そのPL発光強度は発光波長、即ちIn組成に強く依存し、長波長ほど発光強度は減少した。その原因として積層欠陥密度と相関があることが示唆された。 これらの成果により、PA MBEを用いて高効率緑色LED及び黄色LEDを作製するための指針が得られた。
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Research Products
(1 results)