2012 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧振動ナノ接点の粘塑性流動による金属ナノペインティング法の開拓
Project/Area Number |
23656077
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
村岡 幹夫 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50190872)
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Keywords | ナノ加工 / ナノ接点 / 超高圧振動 / 金属ペイント / パターニング |
Research Abstract |
最終年度である平成24年度では、前年度で明確になった金属ナノペインティングの再現性の問題について、引き続き改善策の検討を行うと共に、金属ナノペインティングの応用を行った。 1.金属ナノペインティングの再現性向上のための検討 金属ナノペインティングは、延性金属を被覆した探針を有する原子間力顕微鏡カンチレバーの接触共振を利用して、基板と探針の接触部における超高圧振動ナノ接点の粘塑性流動により、基板表面にパターニングする申請者独自の提案技術である。前年度では、これを実現するため独自のナノペインティング用集中質量型カンチレバーを作製して、その2次振動モードの利用により、金ナノドットのパターニングに成功した。しかしながら、接触共振が明確に現れないという不良な場合にしばしば遭遇した。探針先端半径の比較的大きい探針(直径数100 nm)を用いると改善がみられたが、パターニングの寸法精度の低下を伴った。一方、良好に接触共振が現れる場合には、その接触共振周波数の接触力依存性は、接触部において滑りが生じない弾性接触の理論と整合することがわかった。この結果から推測できることは、探針接触部におけるせん断力を滑りが発生しない程度に小さく抑えることができれば、良好な接触共振が観測できるということである。加振力を低減すれば、せん断力を抑えることができるが、振動振幅も微弱になるため計測が困難となってしまう。これを解決する手法として、探針が短いカンチレバーを用いれば、大きな振動振幅でも接触部のせん断力を低減できることを見出した。 2.金ナノドットを触媒としたナノワイヤ合成への応用 サファイア基板状に金属ナノペインティング法により金のナノドット(直径100 nm程度)をパターニングし、管状反応炉において、熱昇華法により酸化亜鉛ナノワイヤの合成を行った。
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