2013 Fiscal Year Annual Research Report
DBDプラズマアクチュエータを用いた新しい着火・燃焼促進技術の開発
Project/Area Number |
23656125
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
滝田 謙一 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80282101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 圭介 東北大学, 工学研究科, 教授 (40358669)
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Keywords | 燃焼 / 流体 / プラズマ |
Research Abstract |
初年度は,超音速流路壁面に設けられたDielectric Barrier Discharge (DBD: 誘電体バリア放電)デバイスの上流から燃料を噴射し,着火実験を行いDBDプラズマの反応性を調べた。その結果,水素と炭化水素のいずれでも,火炎形成は目視確認できず,分光分析でも燃焼生成物は確認できなかった。これは全温が常温の超音速流で実験したため,静温が著しく低く,熱的効果のない非平衡プラズマのみでは着火に至らなかったと考えられる。次に静温が室温の亜音速流中でも同様の実験を試みたが,着火には至らなかった。そこでDBDプラズマの反応性を高めるため,トーチ形状で作動ガスをプラズマ化する非平衡プラズマトーチを考案した。従来の主流設置型DBDデバイスでは,主に空気がプラズマ化されるが,トーチ型ではプラズマ化される気体を自由に選べる。炭化水素を作動ガスとすれば,CH等の着火促進効果が大きい燃料フラグメントを供給できると考えられる。このような非平衡プラズマトーチを開発し,亜音速流への非平衡プラズマ供給に成功した。また着火効果解析を行い,メタン/アルゴンプラズマの着火性が高いことを予測した。 次年度は,超音速流中に設置するDBDデバイス形状を従来のステップ付から平板に変え作動特性を調べた。その結果,平板型DBDデバイスはステップ付に比べて,電極と周囲の風洞金属部品との間で意図せぬ放電が起り易く,動作安定性で劣ることが分かった。先に開発した非平衡プラズマトーチを吸込み式超音速風洞に取り付けた場合,トーチから流出する荷電粒子が周囲の誘電体被覆部を超えて金属製風洞壁に達し,別の放電形態となった。これへの対応や,炭化水素燃料で作動した場合のプラズマの分光分析等は,研究代表者の長期入院により実施できなかった。 最終年度は研究代表者が入院のまま退職したため,研究は実施できなかった。
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