2012 Fiscal Year Annual Research Report
オプチカルフローを利用した壁面せん断応力分布の超高解像度可視化技術
Project/Area Number |
23656126
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅井 圭介 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40358669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼田 大樹 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20551534)
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Keywords | 流体計測 / オプチカルフロー / 蛍光油膜 / せん断応力 / 可視化 |
Research Abstract |
本研究では,壁面に作用する流体によるせん断応力場を超高解像度で可視化できる革新的な流体計測技術の開発を目的として,Computer Visionの分野で移動体速度の計測手法として知られる“オプチカルフロー”(Optical Flow)の原理を利用した新しい光学手法の開発と実証に取り組んだ.この方法では,物体表面にコーティングした蛍光油膜の流動の時系列光学画像から,壁面に作用するせん断応力ベクトルの2次元的な分布を画像に捉えることができる.本研究では,オプチカルフローの解析法の1つである勾配法を適用し,拘束方程式に制約条件を課すことでせん断応力を計算した.風洞を用いた可視化実証試験には東北大学が保有する基礎実験用低速風洞と低乱熱伝達風洞を用いた.風洞起動時の初期じょう乱の影響を最小に抑えるため,通風後に模型を気流に投入する装置を導入した.これらの実験と比較するため火星大気風洞を用いた翼型実験も合わせて実施した.可視化実証試験は大きく,大域的流れ場の可視化と微小物体の局所流れ場の可視化に分けられる.前者では断面がNACA0012の翼模型を使用し,オプチカルフロー計算における初期画像の選択,画像間隔,画像ペアと画像ペアの時間間隔,平均回数などの影響を系統的に評価した.その結果,翼面上の層流剥離泡による逆流領域や境界層の乱流遷移による表面せん断応力の変化を画像に捉えることができた.また,後者では断面が正方形の角柱前面の流れを光学的にズームして計測し,地面板状の境界層との干渉で角柱前面にできる6つの渦列によって生じる微細なせん断応力場を明らかにすることができた.また,角柱実験では圧力分布を光学計測する感圧塗料(PSP)による計測を並行した行い,圧力場とせん断応力場の複合画像計測に世界で初めて成功した.
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