2013 Fiscal Year Annual Research Report
機能性分子センサを備えたスマートマイクロ流路の開発
Project/Area Number |
23656132
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新美 智秀 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70164522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 浩樹 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50432240)
松田 佑 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20402513)
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Keywords | 流体工学 / マイクロ流路 / 感圧・感温塗料 / センサ |
Research Abstract |
本研究では表面上の二次元圧力分布計測手法として確立された感圧塗料(PSP)を拡張し,マイクロ流路そのものをセンサ化したスマートマイクロ流路を開発することを試みる.ソフトリソグラフィによるマイクロ流路の素材として広く利用されているPDMSが酸素透過性を有していることに着目し,PDMSに色素分子を含有させることにより流路そのものがいわばPSPとして機能し,光照射による発光強度を撮像するだけで壁面上の分布が可視化できるような流路として開発する.さらには,酸素濃度や温度の計測や,これらの複数の物理量を同時計測可能なスマートマイクロ流路へと発展させる. まず,直線形状のマイクロ流路における圧縮性流れを対象として,スマートマイクロ流路による圧力分布計測の実証試験を行った.そして,入口・出口効果による流れ場への影響を従来手法では不可能であった圧力分布として計測することに成功した.さらに,スマートマイクロ流路として圧力のみならず温度に対する計測を行うために,PSPによる圧力分布計測に倣い感温塗料(TSP)を拡張した温度分布計測を行った.そのため,圧力分布計測開発時と同様にスマート流路製作に対する最適な条件の探索を行った.そして,超音速ノズル流れにおける実証実験を行い,ノズル下流における大幅な温度低下を確認するとともに,温度変化を伴う場に適用した際の圧力測定における問題点を明らかにした. 本研究を通して,液体や気体を対象としたマイクロスケール流れ場における圧力,酸素濃度,温度などの分布計測が可能なスマートマイクロ流路の開発に成功したといえる.
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