2012 Fiscal Year Annual Research Report
離散スペクトル吸光光度法による光ファイバ型超高分解能多成分変動濃度プローブの開発
Project/Area Number |
23656134
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
酒井 康彦 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20162274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 貴 名城大学, 理工学部, 准教授 (20372534)
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Keywords | 流体工学 / 乱流 / 変動濃度 / 化学反応 / 吸光光度法 |
Research Abstract |
本研究の目的は,離散スペクトル吸光光度法を応用して,高ペクレ数乱流拡散場,特に高シュミット数が特徴である液相での物質拡散・反応場をマイクロスケールあるいはそれ以下の解像度で連続的に測定できる光ファイバ型超高分解能多成分変動濃度プローブの開発である.さらに,化学反応を伴う乱流混合過程の解明に有効な確率密度関数法における分子拡散モデルの検証に必要なデータを取得することを目指すものである.今年度は以下の研究を行った. (1)2つの高輝度LED(波長520nmにピークを持つ緑色LEDと波長628nmにピークを持つ赤色LED)を使用して,2成分の濃度同時測定システムを構築した.今回のシステムでは,光ファイバとしてコア径が10μmの細いものを使用し,またプローブの検査部の直径を従来の0.8mmから0.1mmに小さくすることにより,検査体積を1/64にするように設計した.これによりマイクロスケールオーダーの分解能の測定が可能となった. (2)新システムを使用して,二次元乱流噴流での二次の化学反応場実験を行った.具体的には単一の二次の化学反応A + B → Rを対象とした実験を行った.ここで,Aはジアゾベンゼンスルホン酸(無色), Bはジアゾベンゼンスルホン酸(無色),Rはモノアゾ染料(赤色)であり,物質Bを含む主流中に物質Aを含む水溶液を噴出した.今回は特に,前述した化学反応とは無関係な物質Cを噴流に加え,物質Cを保存スカラーとして扱い,それによって条件つけた条件付統計量の分布を詳細に調べた.さらに,従来のプローブと新型プローブを並べ,物質Cの濃度から得られる混合分率の信号をもとに,乱流・非乱流界面を検出して,乱流中での反応物質の各種統計量の測定も行った.これらのデータは確率密度関数法における分子混合モデルの検証に有用であると考えられる.
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