2013 Fiscal Year Annual Research Report
伸縮および操舵可能な超指向性音源の開発と移動静粛空間の生成
Project/Area Number |
23656165
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
田中 信雄 首都大学東京, システムデザイン研究科, 名誉教授 (70305423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 宏之 成蹊大学, 理工学部, 准教授 (90404938)
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Keywords | 能動騒音制御 / パラメトリックスピーカ |
Research Abstract |
超指向性音源であるPAL(Parametric Array Loudspeaker)は,能動騒音制御おいて対象点の音圧をピンポイントに抑制することが可能である.しかし,サウンドビームの指向性が高すぎるがゆえに,対象点の奥に遮蔽物が存在する場合,サウンドビームは反射してしまい,対象点以外の領域に悪影響を及ぼす可能性がある.したがって,対象領域が比較的狭い場合,PALの有効性は低い..そこで,提案研究では,操舵機能とビーム長の調整機能を有する新しいPAL,すなわちESPAL(Extendable and Steerable Parametric Array Loudspeaker)を開発する.さらに,サウンドビーム内の波面が騒音源と一致するような波面合成法を確 立することにより,悪影響を惹起しない制御音源を構築する.平成25年度はESPALの実現を目指し,サウンドビームの焦点の位置をなめらかに移動させる手法を確立した.これまでのsteerableなPALにおいては,DSP内における時間遅れ要素によって,各超音波素子への入力信号を調整・処理していた.この場合,実現できる時間遅れはサンプリング周期の整数倍のみであるという問題が生じる.これを解決すべく,本研究ではオールパスフィルタを導入した.当該フィルタは,係数の値にかかわらずフラットなゲイン特性を有しており,さらに位相特性は係数の値によってなめらかに調整することが可能である.これにより,例えば対象点が移動するような場合,サウンドビームの焦点をなめらかに追従させることが可能になる.
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