2011 Fiscal Year Research-status Report
ホット‐アイス現象により超形状・剛性可変性を実現する作業移動ロボットの創成
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23656173
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
多田隈 理一郎 山形大学, 理工学研究科, 助教 (50520813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田隈 建二郎 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30508833)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 知能ロボティックス / 知能機械 / 機械要素 |
Research Abstract |
剛性が可変であり、さらに作業も可能な移動体として、磁性スライムと過冷却現象としてのHot-Ice現象との応用により、超形状・剛性可変性を実現する作業移動機構を創成することを目的とし、平成23年度は、汎用的なMR Hot-Iceの成分及び配合法を確立した。 さらに、吸引・噴射装置を指・掌の部分に搭載した指機構および掌機構を含めたロボットハンド機構としてのMR Hot-Ice構造の開発を進め、この機構構成により、把持対象物の向き・位置・形状を変化させる事が可能かどうかを確認する各種実験を行った。このロボットハンドを、対災害ロボットのマニピュレータ先端にエンドエフェクタとして取り付けることで、任意形状の物体をしっかりと把持し、様々な作業を可能とすることを目指し、当該研究グループが開発している他のタイプのロボットハンドとの作業性の比較実験も進めた。 磁場の変化により、MR Hot-Ice移動変形体の移動・変形動作実験を行うための準備として、X-Y平面内に任意に磁石を動かすための磁石移動テーブル機構の設計も行った。表面に Niメッキの処理を施した表面磁束密度3,250ガウスのネオジウム磁石をX-Y平面内に自在に動かすための機構を、なるべく小型・軽量に製作するための設計を進めている。この機構による磁場の変化により、MR Hot-Ice変形体の移動が可能となる。全体に一定の方向への磁場変化を起こすことで、変形体の伸展動作のみならず、移動動作を行わせることを可能とする。変形体の2か所に、逆向きの磁場変化を行うと、2次元平面内での引き延ばしの動作も可能となる。このような磁石移動テーブル機構の製作を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、剛性が可変であり、さらに作業も可能な移動体を、磁性スライムとHot-Ice現象とを応用して実現するための中核技術である、汎用的なMR Hot-Iceの成分及び配合法を確立することができたため、研究はおおむね順調に進展していると自己評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は、移動用のクローラの代わりにMR Hot-Iceを応用した超柔軟形状・剛性可変移動体を用いることで、瓦礫の散乱した災害現場の復旧作業においても支障をきたすことなく移動できるロボットを構成し、原発事故の復旧・廃炉作業等に応用できる多機能作業移動ロボットを製作することにより、本研究の成果の応用範囲を広げ、より多くのデータや知見を効率良く蓄積して、研究を大きく推進していくことを考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度も、引き続き、酢酸ナトリウム無水結晶や精製水、及びシグマハイケミカル社製のMR流体「E-600」やキサンタンガムといったMR Hot-Ice移動変形体の原料を中心とした物品を研究費で購入して、超形状・剛性可変性を実現する作業移動機構の試作を繰り返し、完成度を高めてゆく予定である。また、X-Y平面内に任意に磁石を動かすための磁石移動テーブル機構の部品も購入してゆく予定である。
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Research Products
(4 results)