2012 Fiscal Year Annual Research Report
ムカデなど多足歩行生物の蛇行生成メカニズムの解明とその工学的応用
Project/Area Number |
23656185
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青井 伸也 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60432366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 和雄 同志社大学, 理工学部, 教授 (70227429)
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Keywords | ムカデ / 蛇行 / 動力学シミュレーション / ロボット / シンプルモデル / フロケ解析 / ホップ分岐 / 無次元化 |
Research Abstract |
本研究課題では,ムカデなど多足歩行生物の蛇行生成メカニズムの解明と工学的応用に向けて,次の4つのテーマを実施した. 1.数理モデルに基づく動力学シミュレーションによる力学特性の把握:多脚ロボットの数理モデルを用いた動力学シミュレーションより蛇行を生成する力学特性を調べた.特に歩行速度に依存した蛇行運動の変化に着目し,歩行速度の増加に従って蛇行の振幅や波数が変化することを明らかにした. 2.シンプルモデルに基づく数理解析による力学構造の明確化:複雑な物理システムの力学特性を明確にするために,多脚ロボットの主要な力学要素を抽出し,シンプルな2次元モデルを用いて蛇行を生成する力学構造を調べた.特に,様々なパラメータにより記述される力学系を明確にするために無次元化を行い,周期係数系のフロケ解析からホップ分岐による不安定化に起因して蛇行が生成されること,またその際に主要なパラメータを明らかにした. 3.ロボット実験に基づく工学的実証:多脚ロボットを用いて実機実験を行った.特に動力学シミュレーションと同様に歩行速度に依存してどのような変化がおきるのかを調べ,蛇行に関して動力学シミュレーションと同様の傾向が見られることを明らかにした. 4.ムカデの計測データ解析に基づく生物学的妥当性の検証:ムカデの歩行運動の計測データに基づいて,歩行速度に依存した蛇行の振幅や波数の変化を調べ,動力学シミュレーションやロボット実験の結果と比較して同様の傾向があることを明らかにした. これらの研究成果をまとめたものはPhysical Review Eに採録され,更には,Nature PhysicsのNews & Viewsにおいて1ページにわたって紹介された(A. Klopper, "Biomechanics: Have legs will travel", Nature Physics, 9:134, 2013).
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Research Products
(5 results)