2012 Fiscal Year Annual Research Report
格子歪みを誘起したシリコン基板上への無転位ゲルマニウム層の形成
Project/Area Number |
23656208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 靖彦 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60303541)
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Keywords | MBE、エピタキシャル / 結晶成長 / 格子欠陥 / 電子・電気材料 / 半導体物性 |
Research Abstract |
本研究では、Si 上へ無転位のGe層をエピタキシャル成長することを最終目標とする。従来にない新しいアプローチとして、パター ン化したSiNx膜を応力源としてSi基板表面へ引っ張り格子ひずみを導入し、格子不整合を減少させることでGe選択成長層の転位密度を低減する方法を検討する。 平成24年度は、パターン化したSiNx膜を応力源として格子歪みが導入されたSi 基板上へのGe選択成長を本格的に実施した。 前年度の結果より、SiNxマスク上には多結晶Geの堆積が発生し、選択性が低下することがわかった。このため、SiNx膜上にSiO2膜を形成した二層マスクを用い、多結晶Geの堆積を抑制する工夫をした。超高真空化学気相堆積法によりGeを成長した結果、SiNx/SiO2二層マスクを用いることで多結晶Geの堆積を完全になくすことに成功した。すなわち、Si露出部分のみへのGe選択成長を実現できた。 Ge選択成長層の貫通転位密度を評価するため、CH3COOH/HNO3/HF/I2混合溶液によりGeを処理し、形成されるエッチピット密度を評価した。その結果、Ge選択成長層の貫通転位密度は、SiO2マスクの場合と顕著な違いは見られず、1cm2当たり約10の9乗となった。今回の実験の範囲では貫通転位密度を低減することはできなかったが、SiNx/SiO2二層マスクによるGe選択成長の実現など新たな知見も得られた。
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