2011 Fiscal Year Research-status Report
高出力テラヘルツ光による高磁場中磁気共鳴励起の×線円二色法による解析手法の開発
Project/Area Number |
23656236
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
出原 敏孝 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 特任教授 (80020197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 勇 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 教授 (90214014)
光藤 誠太郎 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 教授 (60261517)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 国際研究者交流、フランス / ジャイロトロン / テラヘルツ光 / ESR計測 / YAGレーザー / 2次高調波動作 |
Research Abstract |
1) 8テスラ超伝導マグネットと封じきりのジャイロトロン管及び高電圧電源、電子銃の動作をコントロールするための補助コイルからなる既存のGyrotron FU II を用いて、超伝導マグネットの磁場強度を変化することにより、各々の共振器モードが対応する磁場強度で発振を促し、基本波動作で得られる周波数76GHz (磁場強度2.86T), 107GHz (4.09T), 138GHz (5.25T), 200 GHz( 7.62T) 及び2次高調波動作で得られる354GHz (6.84T) での動作を達成した。また、これらの周波数での動作を安定化することを目指し、電子ビームのフィードバック制御を行うことにより、目標値である周波数の安定度10-8、出力の安定度10-3を実現した。2) 17T超伝導マグネットを装備した高周波ESR装置を用いて、ジャイロトロンを光源とするサブテラヘルツ領域の高磁場、高周波数ESR計測に成功した。高出力テラヘルツ光の照射による試料の加熱を抑えるためと磁気共鳴現象の励起過程の進行速度を調整するためジャイロトロン出力のパルス化を試み、周波数一定のもとでのパルス発生を実現するため、YAGレーザーが発生する短パルスと半導体シートを用いて、ジャイロトロン出力をパルスに切り出すことを試み、これに成功した。ジャイロトロンは、CW動作しているため、周波数不変のパルス列発生を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成23年度研究実施計画の通り、研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究実施計画に沿って、以下のように研究を推進する。1) 整備調整したテラヘルツ光源-Gyrotron FU II とESR装置をグルノーブル(フランス)にある欧州放射光施設 (ESRF)に搬入し、同施設の放射光リングから供給されるX線を照射することにより、X線円二色法により磁気共鳴の励起過程を高時間分解で計測する装置の動作試験を行い、装置全体の総合評価を行う。2) 本装置を実用化し、国内外の物性研究に展開することを検討する。ジャイロトロンの周波数を高め、テラヘルツに至る周波数領域への応用を目指した装置の開発研究の検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記のように、欧州放射光施設 (ESRF)との共同研究を実施するが、このため研究者を同施設に派遣する必要がある。このための旅費、滞在費を必要とする。ジャイロトロンの周波数を高め、高性能化した装置を完成するため、新たな設計に基づくジャイロトロン管の製作が必要である。このための開発費を必要とする。
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Research Products
(13 results)