2011 Fiscal Year Research-status Report
高機能車載センシングのための物質識別型テラヘルツ分光レーダーの開発
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23656265
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安井 武史 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70314408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 勉 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50136214)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | テラヘルツ / レーダー / 距離計測 / フェムト秒レーザー |
Research Abstract |
車載レーダー技術は安心安全な車社会を創出するために重要な技術であり、これまでにも電波や光波を用いた方式が実用化されているが、それぞれ一長一短があった。本研究では、電波と光波の境界に位置し両者の性質を併せ持つパルス状テラヘルツ波(THz パルス)をレーダー波として用いることにより、従来レーダー方式の短所を補い長所を融合してレーダー性能を高度化することを目的とする。 実用的なTHzインパルスレーダーの実現に向けた大きな技術的課題は、これまで数分程度の測定時間を必要としていたTHzパルス計測を、実時間化することである。そこで、我々が独自に確立した非同期光サンプリング式THzパルス計測法をTHzインパルスレーダーに適用することにより、測定時間を大幅に短縮することを試みた。自作のデュアル・フェムト秒ファイバーレーザーに対して高度な周波数安定化制御を施し、これらと光伝導アンテナを用いてTHzパルスの発生及び検出を行った。その結果、ピコ秒オーダーのTHzパルス時間波形がマイクロ秒オーダーまで時間スケール拡大され、高速デジタイザーを用いてパルス幅0.9ピコ秒のTHzパルスを測定レート10Hzで実時間測定することに成功した。さらに、静止物体を測定サンプルとして用いて基本特性評価を行ったところ、距離分解能100umと距離決定確度550umを得た。さらに、動体サンプルの動きをリアルタイムでモニタリングすること成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の達成度の理由として、まず、THzインパルスレーダーの実用化にあたって最大の技術的課題であった動体サンプルのリアルタイム・モニタリングを、非同期光サンプリング式THzパルス計測法という独自手法によって、実現したことがあげられる。また、達成された基本特性は、電波(ミリ波)や光波(近赤外光)を用いた従来の車載レーダー技術を大幅に上回っており、次世代車載レーダーとして十分な性能を有していることを確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究計画は、ほぼ予定通り実施することが出来たので、次年度は、『自動車関連材料のTHz 分光データベースの作成』と『THz 分光レーダー装置の開発』について、当初の計画通りに研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
装置開発に必要な消耗品類(光学部品、電子部品、機械材料など)に研究費の大部分を使用する予定である。それ以外に、成果発表のための国内旅費を計上する。また、繰越75,063円については、光学部品(一式)に充てる。
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Research Products
(8 results)