2012 Fiscal Year Annual Research Report
超音波速度変化イメージングによる血管不安定プラークの無侵襲検出
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23656267
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
堀中 博道 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60137239)
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Keywords | 血管プラーク / 超音波速度 / 無侵襲 / 医療診断装置 / 組織識別 / 脳梗塞 / 心筋梗塞 |
Research Abstract |
前年度の研究では、本方式を寒天で作製した脂質領域を含む擬似血管に適用し、脂肪領域が識別できることを実証した。実際の血管は鼓動によって血流の変化、血管壁・血管径の変化が生じるので、装置の実用化のためには測定領域の移動に対する検討が必要である。 本年度は、できるだけ人の頸動脈に近い状態で脂肪領域を検出できるように、血管ファントムの作製と工夫、信号処理プログラムの改良、測定装置の改良を行った。 1.模擬血流として血管ファントムに水流を流した場合の超音波速度変化画像 超音波の速度変化特性、減衰特性を生体と合わせるためにグラファイトを混入させた寒天を用い、円柱状に加工し、内部に牛脂を挿入し、プラークの脂質コアとした。前年度に作製した装置、信号処理プログラムを適用し、超音波速度変化画像を測定した。超音波速度変化画像は血管ファントム内の脂肪領域を示した。水流を流していないときよりも、むしろ鮮明な画像が得られた。これは水流による放熱作用によってより急峻な時間的な変化が得られたことによると思われる。 2.脈流下における血管ファントムの超音波速度変化画像 鼓動によって断続的に流れている血流を模倣するためにチューブポンプを用いて水を流した。寒天を材料とする血管ファントムでは収縮に限界があるために、薄いゴムを用いて擬似血管を作製した。擬似血管の直径が時間的に変化する状態で超音波速度変化画像を構築するために信号処理プログラムの改良を行った。脂肪肝の超音波速度変化画像構築のために開発した移動補償プログラムを本研究の目的に合うように修正して用いた。このプログラムでは、まず時間変化の少ない基準画像を求め、それと温度変化後の同じ空間状態にある比較画像を自動抽出するようにしている。改良した移動補償プログラムによってチューブポンプによる脈動の下で擬似血管内の脂質領域を描出することができた。
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Research Products
(13 results)