2013 Fiscal Year Annual Research Report
自己通電によってヘドロ内有機物を分解する技術の開発
Project/Area Number |
23656306
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
日比野 忠史 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50263736)
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Keywords | MFC / ヘドロ / 浄化 / 発電 / 実用化 / シンプル / 安価 |
Research Abstract |
社会的に大きな問題を抱える未処理で放出される下水汚泥を起源にもつ堆積有機泥(ヘドロ)の浄化技術を開発のため、局所的な有機物の分解機構の把握とSMFCによるヘドロの浄化の効果についての実証」および「SMFCの現地への適用、SMFCの取得電圧とヘドロ浄化効果の向上技術の開発」を実施した。 ヘドロ燃料電池(堆積有機泥を燃料として発電する微生物燃料電池;SMFC)を技術移転するための、技術目標として、①ヘドロから実用的な電力量を回収できること、および②発電された1.7V(20mA)の電力を実用電圧にまで上昇させることを目標に研究を行なった。①の課題のため、①-1水没、干出を繰り返す河岸ヘドロ堆積場において電力を継続的に回収できる技術の確立、①-2小型化された発電装置単独で機能する装置の開発、②の課題のため、②-1物理的に不可能と考えられるヘドロのみから高い電圧を回収できるメカニズムを明らかにすること、②-2ヘドロ燃料電池により回収された電力を実用電力まで上昇させる基本技術の開発を行った。 上記の開発を理論的に行なうための電圧モデルを構築し過電圧に対する3つの電圧損失の寄与度を明らかにする手法を確立して、成果の評価法を行った。これによりSMFCの分極特性は過電圧と限界電流密度を実験値から求めることができ、交換電流密度と過電圧、電気抵抗率と限界電流密度には一意的な関係が見出された。この結果により電極の形状評価と分極特性をパラメータとして、SMFCに適した材料と環境条件を推定した。本研究成果として(1)効率的に電子の流れを作る技術、(2)硫化水素などの有害物質の溶出を電気的に抑える技術、(3)生物が利用できない有機物を利用できる有機物に分解・変換する技術、(4)発生する電力を海底でのLED点灯などに利用するための基本技術が開発された。
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