2012 Fiscal Year Annual Research Report
鉛直動を受ける免震病院における医療機器の機能性評価と人体への影響
Project/Area Number |
23656341
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 正愛 京都大学, 防災研究所, 教授 (00207771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松宮 智央 近畿大学, 建築学部, 講師 (20454639)
保木 和明 北九州市立大学, 国際環境工学部, 講師 (70599026)
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Keywords | 免震 / 病院 / 医療機器 / 鉛直動 / 人体機能 |
Research Abstract |
耐震工学においてもなお評価が分かれる「鉛直動」と,近年その適用が増えている「免震医療施設」をキーワードに,施設内に設置された医療機器・家具の(上下)応答が鉛直動によってどのように増幅されるか,これら応答によって医療機器の機能にどのような不具合や損傷が生じるのかを,実際の医療機器・家具に対する振動台実験と,それを補強する数値解析等に基づいて明らかにすることを目的とし,本年度は以下の成果を得た. 建物への上下動入力,免震層による増幅,上部構造による増幅,床による増幅,そして医療機器による増幅を一般化するための簡易解析モデルを考案し,その妥当性を精密な数値解析結果と照合することによって検討した.また医療ベッド,手術台等の医療機器・家具を振動台上に設置して上下動を与える振動台実験から,当該機器の加速度増幅,卓越振動数変化を詳細に観察した.さらにベッドや手術台の上に人体を模擬した人形を設置し,人体に直接作用する加速度レベルとその特性に関する実データを取得した.これら一連の実験結果とそれを補強する有限要素法解析から,床応答に影響するさまざまな構造特性のうち,とりわけ床スラブが有する上下方向固有周期と免震層の上下方向固有周期との連成が床スラブの上下動の増幅に寄与すること,一般に床応答2gを超えない限り機器・家具が跳躍する等の損傷を伴う激しい応答は少ないこと,床応答の卓越周期と機器・家具の一次固有周期の関係からだけでは,機器・家具の上下方向加速度の増減を判断しにくいこと,等を明らかにした.
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Research Products
(2 results)