2012 Fiscal Year Annual Research Report
高温高湿地域の人々が選択する空調時室温の実態調査と気密住宅の提案
Project/Area Number |
23656349
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鉾井 修一 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80111938)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小椋 大輔 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60283868)
|
Keywords | 高温高湿 / エアコン / 室温選択 / 実態調査 / 開放型住居 |
Research Abstract |
東南アジアの高温多湿気候地域下に居住する人々を対象に、日常の生活状況やエアコン使用に関する意識調査と住宅の温湿度測定を行い、現在どのような温湿度条件下で生活し、どのような温湿度を快適と感じているのか、その実態を明らかにし、従来の温冷感研究結果との違いの原因について検討を行い、以下の結果を得た。 スラバヤとクアラルンプールの住宅を対象に調査を行った。生活状況や温熱環境に関する調査より、エアコンは1家庭で約2~3台所有されており、殆どが寝室に設置されていること、使用時間は日本より2~3時間長く、睡眠時に低い設定温度を選択していること、それに伴い様々な健康問題も生じていることが示された。 エアコン使用に関する意識調査からは、温冷感ではcoldやcoolの回答が多いにも関わらず、快適感はvery comfortableが最も多かった。エアコンは主に夜間使用されており、就寝時平均で24℃ほどまで室温が下がっていること、室温は夜から朝まで下がり続けており、より低温を好んでいると推定された。 coldと答えながらvery comfortableやより好ましい温度でcoolerと答えている人が多数見られた。very comfortableを選んだ人の中で、より好ましい温度をcoolerと答えた人が65%もいた。coldという温冷感に対しては、“その環境を喜んで受け入れ、更に涼しい環境を望む”という常に涼しさを追求する人が多数派であった。 快適性の定義には「消極的快適」と「積極的快適」があるが、本調査結果では、当該地域の人々の多くは睡眠時にも「積極的快適」の考えに基づいた回答をしていること、これまでの温冷感申告から中立温度を求める実験とより好ましい温度に被験者自身で調節させる実験との結果の違いは、「消極的快適」と「積極的快適」のどちらで結果を解釈しているかの違いである可能性があることを示した。
|
Research Products
(5 results)