2011 Fiscal Year Research-status Report
「生活景」の言語化によるナラティブな景観形成計画技術の構築に関する研究
Project/Area Number |
23656369
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
後藤 春彦 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70170462)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 生活景 / オーラルヒストリー / 言語化 / 空間情報 |
Research Abstract |
景観法によって、豊かな特色や個性を有する良好な景観を保全することには一定の対応が可能となり、さほど特色を伴わない一般市街地、すなわち「ふつうのまち」の景観へと課題が移りつつある。そして、縮減社会への転換を背景に、安定的な景観を維持することのみならず、新たな変化への対応を余儀なくされている。大都市では海外移民の受け入れによる居住環境の混乱、地方都市では中心市街地の衰退、中山間地域では集落の消滅など、わが国の景観の変化は高度経済成長期以上に激しいものとなることが予想されるが、それに対する計画技術的側面からの実践的研究は進んでいない。 はじめに、本研究の対象とする「生活景」の定義をおこなった。「生活景」とは、生活の営みが色濃くにじみ出た景観、すなわち、特筆されるような権力者、専門家、知識人ではなく、無名の生活者、職人や工匠たちの社会的な営為によって醸成された自生的な居住環境の可視的表象である。ここで用いる生活とは広義にとらえ、寝食空間にとどまることなく、生産・生業、信仰・祭事、遊興・娯楽のための空間もひろく含むものとする。言い換えるならば、地域風土や伝統に依拠した生活体験に基づいてヒューマナイズされた視覚的環境の総体である。 本研究では、まちづくりオーラルヒストリー法をふまえた「生活景」の言語化によるナラティブな景観形成計画技術の構築と持続可能な景観規範を提示することをめざし、これまで受け継がれてきた「生活景」を形作る地域の歴史・文化、生活慣習、居住環境に関する情報のアーカイブの作成、および編纂技術を開発し、それをデジタル空間上にマッピングすることによるアーカイブスを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初に描いた予定通りすすんでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は「生活景」のボキャブラリーの抽出、および言語構造化を行い、空間情報データベースを活用したナラティブな景観形成計画技術を構築する。また、言語化された生活景を共有する住民ワークショップを開催し、技術を行政、住民組織に提供し、持続的に情報を管理・更新できるような組織体制づくりの可能性を検討する。(1)「生活景」の言語化 対象地区の「生活景のインベントリー」をもとに、ボキャブラリーを抽出し、つぎにボキャブラリーの頻出強度とボキャブラリー間のハイパーテキスト化によりグラマーを抽出し、さらにシンタックスの解析(言語構造化)行うことにより、「生活景」の言語化を行う。(2)「まちづくり空間情報データベース」を活用したナラティブな計画技術化 ナラティブマッピングした空間情報上に言語化された「生活景」情報を配したコミュニケーションツールを作成するとともに、空間情報データベースを活用したナラティブな景観形成計画技術を構築する。(3)持続可能な景観規範の提示 2年間の成果をもとに、確立された技術を行政、住民組織に提供し、持続的に情報を管理・更新できるような組織体制づくりの実現可能性の検討を行う。また、データベース・デジタルマップおよび新旧住民の共有空間に関する、他地域へ応用しうる普遍的な手法の確立を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主たる研究費の使途は、調査のための旅費および、デジタル入力のための人件費(アルバイト)である
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Research Products
(1 results)