2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656391
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤原 巧 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10278393)
|
Keywords | 残光・蓄光特性 / 希土類フリー / ガラス結晶化 / 欠陥構造制御 |
Research Abstract |
科学技術に対する社会要請の中で、特に「環境調和」、「安価・低コスト」、「省エネ」は、二酸化炭素を抑制し省エネ循環を実現する環境調和型の持続社会を構築するために、ますます重要性を増しているキーワードである。本提案ではこれらに応えつつ、萌芽的・ 挑戦的に推進する研究開発の一例として、これまでにない、ガラスにおけるナノ結晶化や熱処理により誘起される欠陥構造制御を活用する発光特性の発現と環境調和型の蓄光材料開発を進めている。これは、地球のエネルギー源として太陽光エネルギーの中で、従来は 効率的に活用されていない光エネルギーを、時間かつ周波数(波長)の観点から高効率利用が可能な形態へと変換させる画期的な技術である。具体的には、元素戦略的な観点から、希少元素である希土類を含まない、希土類フリー酸化物発光体やガラスを用いて、誘起される欠陥構造が起源となり発光の時間特性に変化を与え、この発光の時間制御による蓄光効果が高効率に発現する新材料の開発を目的とする。研究の目標を、「結晶化ガラスにおける欠陥構造の形成と発光・残光に関する基本特性評価」と設定した。熱処理やガラス結晶化による物質中のナノ構造制御により、誘起される欠陥構造を明らかにする実験として、電子スピン共鳴法や分光学的手法(非弾性光散乱)を試行した。以下に研究成果を示す。(1)典型的な酸化物セラミックスである酸化ジルコニアをほぼ単相で析出する結晶化ガラスについて、組成や熱処理の最適化を行い、その結晶化挙動を明らかにした。(2)発光・残光特性の向上を目指して、各種の発光源となる元素添加を行い希土類フリー残光体として発光のブロード化や波長シフトが可能であることを明らかにした。(3)アルミナを混合した状態での熱処理により、残光特性が一桁以上向上することを見出した。
|
Research Products
(6 results)