2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656493
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
都留 稔了 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20201642)
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Keywords | 膜分離 / ゾルゲル法 / セラミック / 逆浸透 |
Research Abstract |
本研究の概要は以下のとおりである。 ①アモルファス構造を制御したシリカ膜の創製:アモルファスシリカネットワークの細孔径制御技術として,構造化アルコキシドの利用を提案した。構造化アルコキシドとは,有機官能基がSi原子に直接結合したSi-C結合を有し,加水分解後も残存しゲル化する。本研究では,アルコキシドのSi原子数1個および2個以上の構造化アルコキシド,具体的には,(EtO)3Si‐R(R=CnH2n+1など)や(EtO)3≡Si-R-Si≡(OEt)3 (アルキレン基:R=CnH2nなど)を用いて,テンプレート法およびスペーサー法によりシリカネットワーク制御技術の確立を開発項目とした。 ② 気体および蒸気透過性評価と逆浸透特性評価:NaCl 2000ppmにおいて,RO膜の特性評価を行なった結果,1,2-bis(triethoxysilyl)ethane (BTESE)が優れた性能を示すことを見出した。BTESE膜は,高いNaCl阻止率(>99%),海水脱塩膜とほぼ同等の分画性(中性物質であるIPAに対する阻止率95.6%),および優れた耐熱性を示すことから,無機逆浸透膜の可能性を見出した。 今年度は,BTESE膜に加えて新たに炭素二重結合を有する市販アルコキシドであるBTESEthy((EtO)3≡Si-CH=CH-Si≡(OEt)3)による製膜と逆浸透膜性能評価を行った。作製したBTESEty膜はBTESE膜と同等の塩素阻止率を有するとともに,BTESE膜に比べて高い水透過性を有することが明らかとなった。さらに,炭素三重結合を有するアルコキシドであるBTESA((EtO)3≡Si-C≡C-Si≡(OEt)3)について製膜に供するためのゾル調整条件等の基礎的な評価を行った。
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Research Products
(7 results)