2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656530
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大政 健史 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (00252586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼塚 正義 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (80571174)
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Keywords | CHO細胞 / 山中因子 / リプログラミング |
Research Abstract |
山中因子と呼ばれる4因子の導入によって、様々な生体由来体細胞からiPS細胞を作製することが可能となった。これらの因子の導入による細胞のリプログラミング機構は、分化細胞におけるジェネティック機構が多能性を規定する状態に変化するのみならず、エピジェネティックな状態も多様性の状態に復元される。本研究は、蛋白質医薬品生産に多用されているCHO (チャイニーズハムスター卵巣)細胞にこれら因子を導入することにより、蛋白質医薬品生産における応用可能な技術を創成することを目的とする。 細胞株に外来蛋白質遺伝子を組み込むと、その直後はその発現レベルが高く維持されているが、この発現レベルは世代を経るに従って、低下する。産業応用には、多数の細胞株の中から、できるだけ発現レベルが低下しない細胞株を選択して用いているのが現状であるが、近年、これらの発現レベルの低下原因が、エピジェネティック機構に基づく転写抑制であると考えられている。これまでに4因子のうち、すでにSox2・Klf4・c-Mycの3因子に関しては、これらの因子の細胞内における役割を科学的に解明する過程において、単なるコントロールの実験材料としてそれぞれ単独にCHO細胞に導入されて発現株が構築されている。そこで、まずOct3/4因子を対象として遺伝子導入を行った。ヒトアンチトロンビンIIIを分泌生産するCHO細胞を用い、この細胞に対して一過性発現を行った結果、Oct3/4因子発現によって、その細胞増殖、生産性には影響を及ぼさなかった。 次に、マウス由来のOct3/4、Klf4、Sox2 (以下OKS)を導入することによる細胞への影響を検討した。その結果、抗体医薬等のバイオ医薬品の宿主として汎用されるCHO K-1株に導入し、その影響を解析した結果、細胞形状、増殖時における接着、さらに比増殖速度にも影響を及ぼさなかった。
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Research Products
(6 results)