2013 Fiscal Year Annual Research Report
海底熱水鉱床開発の社会受容性と事業性評価に関する研究
Project/Area Number |
23656546
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
多部田 茂 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (40262406)
|
Keywords | 海底熱水鉱床開発 / リアルオプション / 環境リスク |
Research Abstract |
海底熱水鉱床開発の産業化に向けた主な課題として、開発に伴う環境や生態系への影響への懸念と、投資の際の事業性が挙げられる。前年度までに、環境影響に関する社会受容性に着目して環境と経済を考慮した持続可能性の定量的な評価を行うために、専門家へのアンケートによる海底熱水鉱床開発の環境リスクの定量化を行い、さらに環境リスクを含めた不確実性を考慮した海底熱水鉱床開発の事業性評価を行った。鉱量・品位・金属価格・環境リスクを不確実要因として考慮したモンテカルロDCFによって、海底熱水鉱床開発事業のNPVを算出したところ、NPVの期待値は正となったがばらつきが非常に大きく、NPVが負になる確率もかなり高いことから、熱水鉱床開発における事業リスクが大きいことが定量的に明らかになった。今年度は、経営判断が持つ柔軟性の価値を評価する事ができ不確実性が高い事業に適用されるリアルオプション法を用いて評価を行った。熱水鉱床開発事業における投資として、探査費用・事前環境調査費用・開発準備費用を考え、2段階の投資シナリオを設定して分析を行った結果、事業の延期や撤退のオプションを考慮することにより事業価値が大きく増加することが示され、意志決定の柔軟性を考慮した事業性評価が有効であることがわかった。また、事前環境調査を行うタイミングによって2ケースを想定して分析を行い、環境調査を早い段階で行い環境リスクの不確実性を減少させた場合のほうがより事業が継続する確率が高いことが示された。
|
Research Products
(1 results)