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2011 Fiscal Year Research-status Report

耐照射損傷性を有する高効率半導体ガンマ線電池の開発

Research Project

Project/Area Number 23656604
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

橋爪 健一  九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (70243912)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords放射線電池 / ガンマ線 / 発電効率 / 照射損傷
Research Abstract

本研究は、高レベル放射性廃棄物および使用済核燃料から放出されるガンマ線をエネルギー源としこれを電気エネルギーに直接変換するための、高効率の半導体放射線電池開発を主目的としている。加えて、耐照射損傷性を有する電池素子の実現を目指し、素子試作、ガンマ線照射実験、シミュレーションを用いた研究を実施中である。シリコンおよびCdTeを素子基板として準備した表面障壁型放射線電池では、Co-60のガンマ線照射(最大吸収線量率約5000Gy/h)によって発電に成功するとともに、その発電特性の詳細(出力電圧、電流および電力値の測定、基板厚さ、照射温度などの影響)を調べている。また、物質と放射線の層が作用を解析するMCNPコードを利用し、シミュレーションで得られた素子試料中へのガンマ線のエネルギー付与値と測定で得られた電力値との比較をもとに、ガンマ線エネルギーから電気エネルギーへの直接変換効率を算出している。これまで、シリコンで最大3%、CdTeで1%程度の値を得た。これらの研究成果をもとに、素子形状、照射条件の最適化によってさらに大きな変換効率を得る見通しを得ている。一方、これらの素子は、1週間程度の室温長期照射で出力が大きく低下すること、さらには、照射後の加熱焼鈍によって一部回復することも判明した。一方、シリコンおよびCdTeよりも耐照射損傷性に優れると期待されるInP系基板の素子では、現段階で十分に大きなエネルギー変換効率は得られておらず、まずは、研究後半で高変換効率を実現させ、長期照射特性を明らかにしたい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

シリコンおよびCdTeについては、表面障壁型放射線電池の試作、照射実験、評価方法をほぼ確立することができた。また、高い変換効率と長期照射の影響を明らかにすることができたことから、試料の試作方法には改善の余地が残されるものの、初年度の目標はほぼ達成できた。これまでに得られた結果をもとに、素子構造を最適化していくことにより、これらの材料でもエネルギー変換効率として10%以上の素子試作の見通しを得ることができたと考えている。シリコンやCdTeについては、さらに照射条件(ガンマ線エネルギー、吸収線量率、照射温度)による損傷の程度の違いを明らかにすること、すなわち、特に対策を取らなくても長期に使用可能な条件の探索も重要であると考えている。一方、シリコンやCdTeを超える耐照射損傷性を有する素子開発および耐照射損傷の対策改善については、まだ十分な成果を得ていない。今後、InPをはじめとする素子開発を継続するとともに、これらの研究を行う予定である。

Strategy for Future Research Activity

今後、シリコンやCdTeについても照射実験を続け、照射条件(ガンマ線エネルギー、吸収線量率、照射温度)による損傷の程度の違いを明らかにしていく。InPについては、太陽電池として試作されている素子を入手し、照射試験を行い基本的な発電特性を調べるとともに、自作素子では、これまでの金属電極蒸着による表面障壁型に加え、イオン注入によるp-n接合型の素子試作を進める。また、InP以外にもGaP、HgI2、CIGSなどの他の有望と考えられる半導体素子についても可能な限り入手し、その発電特性を調べるとともに、長時間照射による照射損傷性の試験を行っていく。残る研究期間でこれら素子開発および照射条件による発電特性、および照射損傷対策について調査、研究していく予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成23年度は、交付頂いた研究費をほぼ消化し残額として105円がある。この次年度使用額105円と次年度請求予定額の1,300,000円をあわせて研究費とし、次年度の研究を推進する。研究費の使用予定内容は、以下の通りである。実験研究を行うための照射実験装置、計測装置およびシミュレーション実施などに対する基本的な研究設備は整っているので、設備備品についての購入予定はない。一方、素子試作にはそれぞれの半導体基板材料とともに電極材料、試薬、ガス類などの消耗品が必要であり、これらの購入(400,000円程度)を予定している。また、消耗品購入以外に、素子作製のためのイオン注入外注委託費用(300,000円程度)、ガンマ線照射費用(100,000円程度)さらに、試作試料のキャラクタリゼーションのための九大分析センターの分析装置利用費(100,000円程度)を研究費から支出予定である。得られた研究成果の学会などでの発表、および、情報収集、関係研究者との討議のため旅費の支出(300,000円程度)を、また、最後に、論文、報告書等の印刷費として100,000円程度の研究費使用を見込んでいる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2011

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Effect of cell thickness on energy conversion efficiency for semiconductor gamma cells2011

    • Author(s)
      Y. Taniguchi, T. Tanabe, K. Hashizume, T. Okai
    • Journal Title

      13th Cross Straits Symposium

      Volume: 13 Pages: 133-134

  • [Presentation] Effect of cell thickness on energy conversion efficiency for semiconductor gamma cells2011

    • Author(s)
      Y. Taniguchi, T. Tanabe, K. Hashizume, T. Okai
    • Organizer
      13th Cross Straits Symposium
    • Place of Presentation
      福岡県春日市(九州大学)
    • Year and Date
      2011年11月23~24日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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